一般社団法人新金属協会

シリコン部会記者会見開催

シリコン部会(部会長:信越半導体㈱ 社長室担当部長 角谷 宏)は、3月7日に学士会館で
記者会見を開催し、2016年シリコン生産、販売等の実勢を報告するとともに
2017年冬季状況を説明しました。
シリコン部会10名、報道関係者8名、アナリスト6名の合計24名による会見でした。

概要は次の通り。
2016年の多結晶国内生産は、シリコンウエーハ市場の拡大に伴い前年に引き続き増量となり、
前年比10%増の9,774トンとなった。

単結晶国内生産は、半導体市場の数量増加に伴うシリコンウエーハ市場の伸長により拡大基調が継続した。
過去の国内200mm以下能力縮小もあり史上最高には及ばないが、300mmを中心とした伸長により、
前年比4%増の8,408トンとなった。

国内単結晶の販売については、前年比4%増の9,127トンとなった。
特に海外向けが前年比9%増の4,856トンと大幅増となり、輸出比率は前年の51%から53%に拡大した。

2017年のウエーハ需要について、300mmの強い需要と200mm以下についても堅調な需要が続くものと予想する。
多結晶需要については、シリコンウエーハの生産拡大に伴い堅調に伸長するが、依然として生産調整は続いている。
今後は、半導体向け需要の伸長、ならびに、太陽電池向けの継続的市場拡大により、能力余剰は徐々に解消されていくものと予測する。

2017年の単結晶国内生産は、300mmを中心に需給がタイトな状況が継続することが予想され、数量としては前年比2%増の8,580トンを見込む。
国内単結晶の販売は、季節変動が懸念されるものの、堅調な需要が期待され、前年比2%増の9,310トンを見込む。
内需・輸出共に同程度の増加が見込まれ、輸出比率に関しては昨年並みの53%程度になると予想する。

シリコン業界を取り巻く事業環境は、内外半導体メーカーのM&Aや事業再編、中国の半導体内製化への動き、
極限まで追求されつつある半導体微細化の進展、シリコンメーカーの合併等、
様々な需要構造変化が続いており、
更には国内固有の懸念事項として、世界的に割高な電力料金の問題もあると解説しました。

最後にシリコン業界の課題を次の通りまとめました。
① 需要構造変化と品質高度化への対応
 1) 最先端デバイスの高精度要求への対応
 2) 生産性向上と不断のコスト低減
② 世界的に割高な電力料金への対応
③ 継続的成長を実現する安定的収益確保

実績予測表