一般社団法人新金属協会

タンタル部会需要実績を公表

タンタル部会(部会長:野口 佳和 グローバルアドバンストメタルジャパン(株)研究開発本部長)は、2019年タンタル需要実績を集計し、公表しました。

2019年上半期(1月~6月)のタンタル国内需要について、コンデンサ向けは対前年同期比で大幅に減少したと推定される。国内タンタルコンデンサの2019年上半期生産は約6.5億個と前年同期比-33%の大幅減となった。2019年下半期(7月~12月)についても、コンデンサ向けは対前年同期比で大幅に減少したと推定される。国内タンタルコンデンサの2019年下半期生産は約5.4億個となり、前年同期の9.7億個に比べて-44%の大幅下落となった。2018年が年間を通して19.4億個と2013年以来の高水準であったこともあり、2019年の年間11.9億個は大きな減少という結果になった。国内タンタルコンデンサメーカー各社とも海外工場との生産分担を進めているので、日本国内の生産数量減少が必ずしも全世界の生産状況を代表するわけではないものの、タンタルコンデンサの生産については大幅な減少に見舞われているものと推定される。

化合物については、引き続き低迷している。スマートフォンに使用されるSAWフィルタ用の原料である高純度酸化タンタルは、スマホの販売が5Gの立上げ遅れもあり停滞したことに加え、機能面での進化も停滞を見せているため、製品の生産が伸びず、原料の需要も低迷している。また、光学レンズ向けなど、他の酸化タンタルの需要も依然として弱い状況が続いている。炭化タンタルについては、日本機械工具工業会の統計によると超硬工具向け炭化タンタルの2019年の消費量は19.6トンであり、2018年実績の23.1トンと比べ、15%程の大幅な減少となった。

半導体向けタンタル薄膜材料向け需要については、堅調に推移したものと推察される。

2019年タンタル需要実績