希土類部会(部会長:寺田 忠史 第一稀元素化学工業(株)顧問)は、2025年の希土類製品の需要実績を集計し、公表しました。
<概要>
2025年の希土類製品需要は、AI サーバー向けや自動車需要の伸びを背景に、全体として需要が増加した。一方、蛍光体用は低調に推移した。希土類製品合計では21,181トンと、2024年に比し12.5%の増加となった。
<用途別>
1.磁石
2025年は4月の中国による輸出管理の実施の公告や、年末にかけての日中間の関係悪化懸念から、総じて価格が大きく上昇した。特に酸化ネオジム(年初から年末にかけ49.16%の増加)や酸化テルビウム(年初から年末にかけ34.85%の増加)の上昇が顕著であった。
他方で日本国内の需要は昨年に引き続き上昇し、2025年ネオジム・ジジムの日本国内需要は前年比18.2%増の6,500トンとなった。
2.蛍光体
2025年の蛍光ランプ国内出荷個数は前年同期比で約7%減であった。LED ランプへの代替が進み蛍光ランプ市場は縮小傾向が続いている。また、国際条約により一般照明用蛍光ランプは2027 年末までに製造終了することが決まっている。
2025年の薄型テレビ国内出荷台数は、前年同期比でほぼ横這いあった。多様な映像技術による大画面化が進む一方で、個人がスマホ等で動画を視聴するスタイルのいわゆる「テレビ離れ」現象も見られる。照明やディスプレイ用LED にはレアアース系蛍光体も用いられるが、使用量は極めて少ない。また有機EL などレアアースを用いない新たな発光材料も浸透し、蛍光体向け全体としては需要が減少した。
3.セラミックコンデンサ
2025 年のセラミックコンデンサの国内生産は前年同期比横ばいの1 兆730 億個となった。
AI 向けやサーバー向け市場、スマートフォン向けで需要は堅調に推移した。
カーエレクトロニクス向けは自動車向け受動部品において使用部品数も増加、生産台数も増加傾向となり需要は増加した。且つ、産業機器向けも堅調に推移したため、全体的には好調に推移したと思われる。
しかしながら、セラミックコンデンサでは小型化、生産者の海外現地生産等によりレアアースの使用量は低位安定した状況で大きな変化はない。
4.排ガス触媒
2025 年の世界の自動車市場は、生産台数、販売台数とも2024 年比で増加し堅調に推移した。一方、国内の自動車生産台数については、2024年のメーカーの認証問題による生産停止の反動増によるプラス面と米国関税への対応などによるマイナス面もあり、生産台数としては、大きく減じた2024 年から2%の増加となった。
そのような状況下、2025 年1-12 月の自動車排気ガス浄化用触媒の生産量は8,466 tと2024年1-12 月の9,020 tから6%減、販売量についても2024年比で6%減となった。前年からの減少は、自動車の生産車種の構成などが影響していると思われる。販売金額については2024 年比で4%増となった。販売金額の増加は、触媒成分である貴金属価格が上昇したことにより販売単価が上がった影響による。
5.研磨材
液晶用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板などに使用されるセリウム系研摩材の2025年上半期の需要は、回復の兆しはあるものの低調に推移した。液晶用ガラス基板は、2024 年から大きな変化はなく、需要は低調に推移したと見られる。一方、ハードディスク用ガラス基板は、2024年下半期同様、AI サーバーなどの需要が堅調に伸びている様子であり、それに伴い需要も堅調に推移したと見られる。

