一般社団法人新金属協会

タンタル部会需要実績を公表

タンタル部会(部会長:野口 佳和 グローバルアドバンストメタルジャパン(株)研究開発本部長)は、2021年タンタル需要実績を集計し、公表しました。

2021年のタンタル国内需要について、タンタルコンデンサ向けは国内タンタルコンデンサ生産が2020年の11.5億個から13.3億個と16%伸長したため、大きく伸長したと推定される。国内コンデンサメーカー各社は海外への生産移転が進んでおり、国内コンデンサ生産数量のトレンドとタンタル材世界消費数量のトレンドは必ずしもリンクしないが、2021年は海外生産も好調に推移し、タンタル材の世界消費数量も増加傾向にあったものと推定される。

化合物については、上半期のスマートフォン市場の回復と5Gの普及による需要増加に伴うSAWフィルタ向け高純度酸化タンタルの需要が比較的堅調に推移したと推定される。一方、光学レンズ向けなどでは、依然として需要は弱い状況が続いている。また主に超硬工具などに使用される炭化タンタルについては、自動車産業が回復基調ではあるものの部品調達不足などの影響を受けていること、また航空産業はCOVID-19の影響によりいまだ低迷しており、不透明な状況が続いていると推定される。

タンタル薄膜材料向け需要については、2021年の半導体需要が非常に旺盛だったことから好調だったと推定される。

スーパーアロイ等の耐熱超合金向け純タンタル需要ついては、その用途が産業用設備や航空機等に大きく依存している。新型コロナウイルスによる需要先市場の低迷により、2021年も低迷したものと推定される。

なお、タンタル需要統計は需要構造の変化等により令和3年から算出方法を変更した。これを加味し、平成31年・令和元年から同一方法で再算出している。

2021年タンタル需要統計