シリコン部会(部会長:相原 健 信越半導体株式会社 社⻑室 担当部長)は、10月30日に2025年の実績、2026・2027年の状況・見通しについて公表しました。
1.2025年の実績
1-1)2025年の世界半導体市場は、拡大するAI需要に伴いメモリー製品やGPUなどのロジック製品が著しい成長を示し半導体市場全体を牽引した一方、AI関連以外の製品は低調に終わるなど、用途による二極化が顕著であった。
WSTS統計によれば、2025年の金額ベースの市場規模は第1四半期から第4四半期にかけて継続的な成長を示し、通年では前年比26%増の7,956億ドルとなり、過去最高を更新した。一方、シリコンウエーハ出荷面積と相関があるIC半導体出荷個数は四半期毎に回復傾向を示したものの、通年では前年比6%増の3,711億個に留まった。
1-2)2025年の世界シリコンウエーハ市場は、IC半導体出荷個数と同様に緩やかな回復を示した。SEMI統計によれば、2025年の半導体用シリコンウエーハ出荷面積は前年比6%増の130億平方インチとなるも、出荷金額は前年比1%減の114億ドルと伸びず、1平方インチ当たりの平均単価は前年比7%減の0.88ドルとなった。
1-3)当部会集計の国内高純度シリコン統計によれば、2025年の国内単結晶生産量は年間では前年比6%増の10,001トンとなり、シリコンウエーハ市場と同様に推移した。
国内単結晶の販売量については、前年比7%増の11,106トンであった。海外向けが前年比6%増の7,529トン、国内向けは前年比9%増の3,577トンとなった。また、輸出比率は前年と同等の68%であった。
2. 2026年・27 年の見通し
2-1)2026年の半導体市場はAI・データセンター投資関連が牽引役となり、特にメモリー製品で高い成長が見込まれる。上記牽引役に付随してパワー半導体などの需要回復も見込まれるものの、半導体用途別の二極化は依然続くものと推測する。
2026年春季WSTS予測によれば、2026年の半導体市場は前年比90%増の1兆5,112億ドルにまで成長し、2027年には前年比27%増の1兆9,137億ドルにまで伸長するものと予想されている。地域別では、合せて市場全体の9割強を占めるアジア地域とアメリカにおいて2026年、2027年共に前年比2桁台以上の成長を続けると予想されている。
また、IC製品別では、2025年にIC市場の3割以上を占めたメモリーが2026年には前年比250%増、2027年には前年比32%増にまで大きく伸長すると予測されている。
2-2)当部会ではWSTSや各種予測を踏まえつつも、世界情勢の不透明感を考慮して今春の予測を踏襲し、シリコンウエーハ市場は前年に続き2026年も緩やかな成長を予想する。
2026年の国内単結晶生産量は前年比8%増の10,800トンと見込み、2027年には前年比5%増の11,300トンと推測する。
同様に2026年の国内単結晶販売量についても前年比8%増の12,000トンを見込んでおり、内訳として内需は3,850トン、輸出は8,150トンと予想する。同様に、2027年は国内単結晶販売は12,600トン、内訳としては内需 4,050トン、輸出 8,550トンと予想する。
更に多結晶需要についても、半導体向けシリコンウエーハ需要と同様に2026年と2027年は緩やかな成長局面を想定する。
3.今後の課題
シリコン業界を取り巻く事業環境は中東情勢緊迫化による原油由来材料供給懸念や価格上昇、米中対立、台湾有事等の地政学的リスクによる半導体自国誘致の動き、ハイパースケーラーによるAIでの覇権争い、極限までの半導体微細化進展および3次元積層化技術展開など、様々な需要構造変化が続いており、更には世界的なインフレによる原材料高、国内固有の懸念事項として、世界的に割高な電力料金や燃料費の問題もある。
シリコン部会加盟各社はこれらの変化へ対応するために、最先端半導体対応の為の品質の更なる向上や生産性向上及び合理化による不断のコスト低減に取り組んでおり、更には環境負荷軽減に向けたパワー半導体需要にも積極的に対応していく所存である。
〔今後のシリコン業界の課題〕
①需要構造変化と品質高度化への対応
1)最先端デバイスの高精度要求への対応
2)環境・省エネルギー用パワー半導体への対応
3)生産性向上と不断のコスト低減
②世界的に割高な国内電力料金への対応
③拡大する半導体市場への安定供給
④シリコン産業における人材確保
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本資料の取り扱いについて
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