

明けましておめでとうございます。新金属協会会長の轟でございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、皆様、年始のお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
まず、はじめに、先ほどの表彰式に於いて、功労賞を受賞されました河越稔之様の新金属業界発展への多大なご尽力と長年の協会活動に対するご貢献に対して、改めて深く敬意を表させていただきます。
昨年を振り返りますと、10月の高市首相の就任以降、危機管理投資・成長投資が打ち出され、昨年末の税制改正大綱にて閣議決定がされました「大胆な投資促進税制」をはじめとする、半導体等の戦略分野に対する投資促進や原子力を重要視する姿勢が明確化されております。また、南鳥島周辺でのレアアースの採鉱試験が進められようとしており、新金属産業への各方面からの関心が非常に高まっております。
また、新金属産業の業況といたしましては、異業種共同体としての特徴から業種によるバラツキもございますが、各種電子デバイスの調整局面からの回復が着実に進んでいる状況の中、生成AI関連やデータセンター関連需要の拡大といった明るい話題も聞こえてまいります。また、ウラン燃料につきましては、原子力発電所の再稼働が遅れ厳しい状況が継続していますが、約1年前の女川原発・島根原発の再稼働に続き、今後も柏崎刈羽原発や泊原発の再稼働に向けた動きが進んでいることも明るい話題です。
他方、国際情勢を見ますと、昨年は第二次トランプ政権が成立し、その後の関税政策をめぐる動きをはじめ、各国による自国優先の政策が展開される等、変化の激しい1年であったと思います。注目されている日中関係については、今後の展開を予想することは難しくなっておりますが、同国が3年前から断続的に実施しているレアアース・レアメタル等、世界中が同国に依存している各種金属素材の輸出管理強化の動きもあり、その動向を引き続き注視していくことが必要であるとともに、産業への悪影響とならないことを願うものです。
更には、年初のアメリカによるベネズエラへの武力攻撃、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢等、地政学的な問題が年々増してきており、我が国を取り巻く環境は不透明さがより一層強まりつつあります。
近年の国際情勢の緊張等を受け、我が国政府は、半導体とシリコンウェーハ等の部素材、レアアースを用いた永久磁石、レアメタル等重要鉱物等のサプライチェーンの強靭化を図るとともに、経済安全保障の視点から重要技術の管理についても強化が図られております。更に成長戦略として打ち出され、今年検討が進められる17の戦略分野の中にも、半導体・GX・マテリアル等、その実現には、新金属産業の取り扱う素材が不可欠な戦略分野も考えられています。このように新金属産業の取り扱う高機能素材は一層重要度を増していると同時に、政府と新金属産業界との関係がより重要になっており、技術流出のリスクを共有しながら、安定供給の責務を果たしていくことが大変重要になっていると認識しています。
当協会としましては、サプライチェーンを広く俯瞰しつつ、優れた部素材を安定的に供給していくため、経済産業省様始め関係官庁、関係団体とも連携を図りながら、9つの各部会の活動、そして安全や国際標準化に関する研究会・委員会の活動を軸として以前にも増して積極的な活動を進めたいと考えています。直近では、本年より施行となりました中小受託取引適正化法-通称、取適法-につきましても、適正な運用ができるように業界全体として取り組んで参りたいと考えております。異業種共同体としてのシナジー効果を活かし、会員会社様とともに、限られた地球資源を最大限に有効活用して、高機能金属素材の供給を通して幅広く社会に貢献出来るよう努力して参りたいと考えております。
最後になりますが、日頃からの協会活動へのご理解とご協力に改めて感謝申し上げますとともに、本年も引き続き皆様の一層のご支援とご鞭撻をよろしくお願いいたします。
以上、簡単ではございますが、新年のご挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
(令和8年1月14日 賀詞交歓会・第26回表彰式 会長挨拶 要旨)
会長 轟 正彦