一般社団法人新金属協会

会長挨拶

降屋 久
会長 降屋 久

皆さま、新年明けましておめでとうございます。

 昨年を顧みますと、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、国内外問わず大きな打撃を受けた一年でした。世界は感染抑制と経済活動の両立を模索してきましたが、昨年秋以降は欧州で感染が再拡大しロックダウンする地域も出ております。さらに、米中貿易摩擦の激化により12月には中国輸出管理法が施行されるなど、安全保障上の問題も浮き彫りとなっており、不透明な貿易環境が続いています。そんな状況下、新金属業界の動向につきましては、業種による差異はあるものの、感染症対応のテレワーク普及等により情報通信関連が需要を下支えし、加えて上半期に落ち込んだ自動車向けも9月以降急速に回復したことから、大幅な落込みはありませんでした。

 新型コロナウィルス感染症の拡大は、経済のグローバル化に歯止めをかけ、全世界規模で新たな社会の在り方及びライフスタイルを模索することとなっております。この大きな転換期において、従来想定されていたトレンドが加速されています。昨年10月、政府は2050年にカーボンニュートラルの実現を目指すことを提言しました。今年からその極めて高い目標に向けて様々なアプローチで具体的な取り組みを進めることになります。例えば、再生可能エネルギー・低炭素電源の普及促進や省エネ化、水素利用を実現するにあたり、新金属産業の取り扱う素材は、様々な分野で高機能を発揮する原動力となることが期待されます。新たな時代の扉を開く一助となるべく、異業種共同体として一丸となり邁進する所存です。

 協会活動としましては、昨年6月にはウェブ会議システムを導入し、情報セキュリティ管理対策のもと部会・委員会・研究会活動を行っており、コロナ禍であっても会員サービスに支障のないよう努めております。また、関係省庁へいち早く情報を伝達するため、新型コロナウィルスの影響に関する情報のアンケートを開始し、過去4度実施いたしました。

 委員会・研究会分野につきましては、安全委員会、半導体材料規格関連、希土類のISO規格関連が現在活動中です。なかでも、米中貿易摩擦により海外との交渉等が活発化している国際標準化活動に対しましては、経済産業省から多大なるご支援のもと、今後の我が国の産業競争力維持強化の重要要素として今後も鋭意進めてまいります。安全委員会活動につきましては、新型コロナウィルス感染症により進展が加速している操業・安全管理におけるデジタル活用の動向について勉強会を行う等、これまでの活動に加え新たな課題についても取り組んでまいります。

 また、核燃料加工分野では、新規制基準への対応準備を進めている最中でありますが、資源エネルギー庁より受託しているウラン等を含む低レベル放射性廃棄物等のガラス固化技術の基礎研究に関する事業が、無事2年目を終えようとしています。引き続き関係機関と連携し、ウラン廃棄物の性状把握や分離技術の開発等を実施してまいりますので、関係各位のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 最後になりますが、新金属協会は、会員会社様と共に産業を通じ、我が国の持続可能な発展に貢献してまいりますので、今年も引き続き皆様の一層のご支援とご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 以上、簡単ではございますが、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和3年1月4日