1.部会加盟シリコンウエーハメーカー2024年度連結決算 売上高合計は12,701億円と対前年比1%減となり、市況の回復が遅れている。同時に収益も低迷し、営業利益は3,112億円、利益率は25%に留まった。 また設備投資も減速し、対前年比34%減の...
1.部会加盟シリコンウエーハメーカー2024年度連結決算
売上高合計は12,701億円と対前年比1%減となり、市況の回復が遅れている。同時に収益も低迷し、営業利益は3,112億円、利益率は25%に留まった。
また設備投資も減速し、対前年比34%減の4,334億円となった。研究開発費は微細化・三次元構造化が進展する先端半導体に対応する高精度ウエーハ、環境・省エネルギー対応のパワーデバイス向けウエーハ等の開発が継続しており、対前年比1%増の321億円となった。
2.2025年の状況と見通し
〔半導体市場〕
2025年の世界半導体市場は、生成AI向け先端半導体は好調を維持するものの、車載・家電向け等を中心にレガシー品では在庫調整が継続している。また、米国関税政策の急激な変更や米中のデカップリングの進行により、将来需要の不透明感が益々増している。
2025年春季WSTS市場予測によれば、2025年の半導体市場は、前年比13%増の7,009億ドル、2026年には2025年比9%増の7,607億ドルに達すると予想している。
〔半導体用シリコンウエーハ〕
SEMI統計による世界シリコンウエーハ市場も在庫調整継続の影響もあり、市況の回復は緩やかとなっている。今年1-6月のシリコン出荷面積累計は前年比1%増の62億平方インチとなっており、当部会では2025年のシリコンウエーハ市場は前年比1%増、2026年には前年比+15%増を予想している。
3.シリコン業界の課題
シリコン業界を取り巻く事業環境は米国関税政策や米中貿易摩擦に代表される地政学的リスクの顕在化や生成AIの更なる進化に伴う極限までの半導体微細化進展など、様々な需要構造変化が続いており、更には国内固有の懸念事項として世界的に割高な国内電力料金や燃料費の問題も懸念材料として挙げられる。
また、安全面においても安全操業確保の諸施策を検討し、新金属協会「災害防止対策安全委員会」で策定した行動計画を協会会員会社に展開し、安全管理体制の強化に継続的に取り組んでいる。
シリコン部会加盟各社はこれらの変化へ対応するために、最先端半導体対応の為の品質の更なる向上や生産性向上及び合理化による不断のコスト低減に取り組んでおり、更には環境負荷軽減に向けたパワー半導体需要にも積極的に対応していく所存である。
〔今後のシリコン業界の課題〕
①需要構造変化と品質高度化への対応
1)最先端デバイスの高精度要求への対応
2)環境・省エネルギー用パワー半導体への対応
3)生産性向上と不断のコスト低減
②世界的に割高な国内電力料金への対応
③拡大する半導体市場への安定供給
④顕在化する地政学的リスクに対応したサプライチェーンの多岐化・安定化
・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。 ・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に...
・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。
・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に取り組むこととしました。
・経済産業省の金属素材競争力強化プランの具体化に向けて、同省金属課が策定した「シリコン業界の産業戦略」について、特にシリコン産業の将来展望等に関し意見交換するなど、必要なフォローアップを行いました。
・再生可能エネルギー買い取り制度における賦課金減免制度の見直し議論に関して、資源エネルギー庁の説明会に出席して意見交換するとともに、経済産業省金属課からの各種調査要請に対応しました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・年2回の新聞記者会見を開催しました。平成28年7月は、売上高、設備投資額等について、平成29年3月には生産量、販売量等を報告し、シリコン業界の現況を説明しました。また、記者会見開催時に経済産業省金属課と情報交換会を開催し、経済産業行政、業界動向について意見交換しました。
・シリコン技術委員会では、シリコン業界共通の技術課題の検討や技術動向に関する意見交換を行うとともに、(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)やSEMIの会議に参加した委員と情報を共有しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、多結晶シリコンメーカーが主体となりフォローアップ調査を継続しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。