一般社団法人新金属協会

希土類部会

業界業況

1.磁石 2016年1~12月のネオジム磁石の生産量は前年比5%減の12000トン弱程度であった。 自動車向けは堅調であったがエアコン、産業機器向けの需要がふるわず後半にハードディスク向けの需要が旺盛となったものの他分野の縮減を挽回するまでには至らなかった。 磁石用希土類に関しては、中国以外の軽希土...

業界業況

1.磁石
2016年1~12月のネオジム磁石の生産量は前年比5%減の12000トン弱程度であった。
自動車向けは堅調であったがエアコン、産業機器向けの需要がふるわず後半にハードディスク向けの需要が旺盛となったものの他分野の縮減を挽回するまでには至らなかった。
磁石用希土類に関しては、中国以外の軽希土類の調達先を開拓したこと、重希土類を使用しない、もしくは使用量を削減する技術開発が進んだこと、工程内不良品、廃棄品から希土類をリサイクル抽出して再び原料として活用する技術を確立したことなどから中国からの輸入が減少した。半面ベトナムなど他国からの輸入が伸長した。

2.ニッケル水素電池
2016年1~11月の国内ニッケル水素電池生産個数は、約3.91億個、前年同期比約17%増であった。
国内車載向けが堅調に推移したことが要因と推測される。
車載・民生用あわせたワールドワイドの生産量は横這いとみており、 今後の成長のためにも新規市場の創出が望まれるところである。

3.蛍光体
2016年1~12月の蛍光ランプ国内出荷個数は前年比で約14%減であった。
LEDランプへの代替が進み蛍光ランプ需要の縮小傾向が続いている。
2016年1~12月の薄型テレビ国内出荷台数は前年比で約7%減であった。
4Kテレビは急成長したが、それ以外の減少が大きい。液晶ディスプレイのバックライトは、現在ほとんどがLEDになっている。
さらに有機ELなどレアアースを用いない発光材料がスマートフォン、テレビ、照明などに使われ始めた。このような状況により蛍光体向けレアアースは減少した。

4.セラミックコンデンサ
2016年1~12月のセラミックコンデンサの生産は9,235億個と前年比8.4%増となった。
エレクトロニクス市場はスマートフォンの台数成長の伸びが鈍化しつつも通信機器の高機能化により1台当たりの部品数が増加し、またカーエレクトロニクス向けで安全確保や利便性確保に向けて電装品の搭載数が増加し、セラミックコンデンサ需要が拡大し、全体で伸長した。
スマートフォン出荷台数の伸びは鈍化する見込みだが、新興国市場への広がり、高機能化が継続することにより部品需要は増加が見込まれる。
また医療機器関係等の需要増加に期待出来る。
しかし、レアアース需要はセラミックコンデンサの小型化、省レアアースの進展により大きな伸長は見られない。

5.排ガス触媒
2016年1~12月の自動車排ガス浄化用触媒の生産量(9,944トン)は前年度(9,908トン)と多少の増加が見られた。
自動車の総生産台数は前年比でほぼ横ばいが予想されているが、中身を見ると、普通車及び小型四輪車が4~5%の伸びを予想されているのに対し、軽四輪車は2014年と2015年比で20%も下げたにも拘わらず、更に2015年、2016年比で10%以上も下げると予想されている。
この事から、重量でみると触媒生産量は横ばいであったが、小型触媒が減った為、個数は微減したと考えられる。
今後は、自動車の急速な電気化により触媒の小型化が懸念されている。一方で新規制の立ち上がりにより触媒の増量も可能性としてある。これは自動車メーカーと触媒メーカーの開発動向によるところが大きい。

6.研磨剤
2016年1~12月のセリウム系研磨材の需要は、2015年と比較し若干増加したものと思われる。
液晶用ガラス基板向けについては、年初こそパネル市場の在庫調整に伴う影響で需要が減少したものの、その後は総じて回復基調で推移した。
これはパネル出荷枚数は微減したものの、パネルサイズの拡大や薄型化が研摩材需要に寄与していると考えられる。
一方、ハードディスク用ガラス基板向けは、PC市場でのスマートデバイス端末による浸食や、SSDへの置換えは継続しているものの、その勢いは鈍化していると見られる。

活動概要

・中国から提案された希土類原料・製品各種のISO標準作成について、経済産業省国際標準課、金属課等関係課と意見交換するとともに、国内対応のために新設した研究会・委員会に部会全社が参加するなど対応を行いました。 ・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に...

活動概要

・中国から提案された希土類原料・製品各種のISO標準作成について、経済産業省国際標準課、金属課等関係課と意見交換するとともに、国内対応のために新設した研究会・委員会に部会全社が参加するなど対応を行いました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に協力しました。
・日本の希土類需要推移を集計し、公表するとともに、製品ごとの需要状況等について経済産業省金属課及び資源エネルギー庁鉱物資源課と情報・意見交換会を開催しました。
・中国が特恵関税対象国から卒業するに当たり、一部の加工用原材料品が課税対象品となることから、輸入関税非課税品の対象となるように折衝を開始しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

18世紀
1794:レアアースの発見
19世紀
19C末:ガスマントル(トリウム、セリウム)が工業化
1940年代
1947:レアアース15元素すべて明らかになる
ブラジル、インド、アメリカでモナザイト鉱石の処理本格化
1950年代
1951:米Molycorp,Montain Pass操業開始
1952:IndianRareEarths、操業開始
1954:モナザイトの世界生産量1万トン
1956:米W.R Grace社、希土類生産開始
1957:中国で白雲鉱処理開始
1960年代
モナザイト鉱石の生産はブラジル、インド、アメリカ、南アフリカ、オーストラリア
アメリカでプラセオ黄の顔料が開発される
FCC触媒量産
1970年代
アラスカの天然ガス輸送パイプラインにミッシュメタル添加がブームに
超磁歪材料(TbDyFe)が開発される
1977:中国から日本へ希土類原料輸入開始
1980年代
1980:中国希土工業代表団来日。協会、阪大、関係者各社訪問
1981:中国でイオン吸着鉱開発
1985:希土類鉱石の世界生産量4万トン
1987:中国、希土類原料で世界一の生産国となる
1988:第1回日中レアアース交流会開催
1990年代
オーストラリアでモナザイトの公害問題が表面化
1992:ブラジル、希土類鉱石の処理中止
1993:中国、鄧小平氏が南順講話にて「中東有石油、中国有希土」と発言
1994:マレーシア、希土類の分離中止
1997:中国、希土類製品の輸出許可制度がスタート
2000年代
2000:希土類鉱石の生産量8.1万トン中国が85%を占める
2002:中国で希土類の鉱山開発、製錬分離事業への外国企業の投資が禁じられる
2004:中国、希土類鉱石生産量9万8,000トン
2008年代
2005:中国、希土類製品の輸出に関し、増値税還付を廃止
希土類原料の価格上昇
希土類原料の中国依存度の問題
1926年代
ライター石の生産開始
1940年代
アークカーボン用フッ化セシウム量産開始
1950年代
板ガラスの研磨に酸化希土(セリウム)が本格採用される
鉄鋼用ミッシュメタル量産開始
1960年代
1962:新金属早わかりシリーズ『レアアース』刊行(新金属協会)
日立、カラーテレビ「キドカラー」発売
Y、Euに蛍光体需要出る
酸化ランタンを添加した高屈折レンズが開発される
1970年代
セラミックコンデンサーに酸化ランタンが使用される
ソニー、ウォークマン発売
SmCo磁石の需要拡大
自動車三元触媒の登場。酸素センサーの開発(Ce、Y)
1980年代
1982:日本希土類学会創立
三波長蛍光ランプの普及(Y、Eu、Tb)始まる
ミノルタ、オートフォーカスα7000発売
住友特殊金属、NdFeB磁石を発表
世界的な超伝導フィーバー(Y)
1990年代
ニッケル水素電池が実用化
ソニー、ミニディスク発売(Tb、Dy)
自動車用の紫外線吸収ガラスにセリウムが使用される
1993:希土類磁石がフェライト磁石の販売額を抜く(1,767トン、488億円)
携帯電話が普及し始める
Windows95発売。
HDD向けネオジ磁石の需要拡大
トヨタ初代プリウス発売
2000年代
ランタン添加の高性能フェライト磁石普及
京都議定書批准による省エネ、環境問題から、モーター、電池の需要増大
【課題】燃料電池の開発、磁気冷凍の開発、コージェネデバイスの普及、希土類原料のリサイクル促進
2005年代
2代目プリウスでハイブリッドカーが普及(ネオジ磁石、ニッケル水素電池の需要拡大)
フラットパネルディスプレイの普及(PDP、液晶)
1940年代
1943:探照灯用フッ化希土生産のため日本金属化学(現・太陽鉱工)が設立される
1947:清美化学(現・セイミケミカル)設立
1949:日本金属化学、新日本金属化学に社名変更
1949:三徳金属工業(現・三徳)設立
1950年代
1957:日産稀元素化学設立。希土類化合物の生産開始
1957:和光物産、IREの総代理店となる
1960年代
1963:三井金属、三井物産と合弁で、三金レアアースを設立
1966:信越化学、高純度イットリアの企業化発表
1968:三井金属、東北金属工業との合弁で日本イットリウムを設立
1969:三金レアアース、三井金属の完全子会社となる
1970年代
1970:新日本金属化学、三光稀元素静岡工場を買収
1971:三徳金属、希土類金属の酸化物電解法を工業化
1974:三菱商事、Molycorpの総代理店になる
1975:三菱化成、Malaysian Rare Earth Corp(MAREC)を設立
1979:三菱化成、ノルウェーMEGONと合弁で、MCI-MEGONを設立
1980年代
1980:三菱化成、マレーシアにAsian Rare Earth(ARE)を設立
1980:三井金属、三金レアーアースを解散
1984:昭和電工、希土類合金の製造を開始
1985:住友軽金属工業、希土類母合金の生産開始
1985:三井金属鉱業、三池メタル工場で中国イオン鉱の処理開始
1986:ローヌプーラン、住友金属鉱山と合弁で、日本レアアースを設立
1986:三菱金属、アメリカReactive Metalと合弁で、NEOMETを設立
1990年代
1990:住友金属工業、Molycorpと合弁で、住金モリコープを設立
1994:日本レアアース解散
1997:同和レアアース解散
1997:三菱化学、黒崎工場の希土類生産を中止
1998:三菱マテリアル、アメリカ子会社Neometを清算
1999:三徳、アメリカ子会社Santoku Americaを設立
2000年代
2001:住友軽金属工業、希土類母合金の製造中止
2001:三徳、中国包頭に子会社の包頭三徳電池材料有限公司を設立
2002:昭和電工、中国包頭にネオジム合金を製造する合弁会社を設立

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