一般社団法人新金属協会

希土類部会

業界業況

1.磁石 2018年1~12月のネオジム磁石の生産量は、前年比5%強増の14,000トン強であった。特に2018年第2四半期後半から第4四半期前半は、自動車、産業機器向けが好調に推移した。2018年の日本の自動車生産は微増、HV車を中心とした電動車両は前年並みとなったが、HV新型主力車が投入された2...

業界業況

1.磁石
2018年1~12月のネオジム磁石の生産量は、前年比5%強増の14,000トン強であった。特に2018年第2四半期後半から第4四半期前半は、自動車、産業機器向けが好調に推移した。2018年の日本の自動車生産は微増、HV車を中心とした電動車両は前年並みとなったが、HV新型主力車が投入された2018年第2四半期以後のHV車生産は前年を上回った。特に好調な設備投資による産業機器向けのモーターは10%強の増加ととなり、ネオジム磁石消費増に大きく寄与した。
一方、2017年第3四半期に上昇した原料価格も第4四半期から2018年にかけて低位安定であったことも、磁石の消費増に寄与した。2018年の中国の希土鉱石採掘許可量が2017年より増加したこと、特に2018年後半はミャンマー、米国からの希土鉱石輸入量が著しく増加したことから供給過剰となり、Nd、Di、Dyの価格は低位安定となった。
2019年は洋上風力発電の増加や電動車両生産台数の大きな伸びが期待されるが、2018年第4四半期後半からは米中貿易戦争の懸念から在庫調整による急激な需要減もみられる。また重希土鉱床であるミャンマーの鉱石は、中国南方鉱と同様の環境問題や不法採掘などから安定供給が懸念され、流通在庫が減少する2019年後半にはDy、Tbの価格上昇の可能性も高い。米国、豪州の増産から軽希土価格は低位安定すると見られること、磁石の重希土削減が進んでいること等から、2019年のネオジム磁石需要は好調であった2018年を上回ることが期待される。

2.蛍光体
2018年1~12月の蛍光ランプ国内出荷個数は前年比で約15%減であった。LEDランプへの代替が進んでおり蛍光ランプ需要の縮小傾向が続いている。
2018年1~12月の薄型テレビ国内出荷台数は前年比で約4%増であった。国際的スポーツイベントの開催、4K・8K放送の開始などが買い替え需要を喚起したと思われる。液晶テレビのバックライトは現在LED系が主流である。有機EL系も徐々に売れ始めた。
このような状況により蛍光体向けレアアースは減少した。

3.セラミックコンデンサ
2018年1~12月のセラミックコンデンサの国内生産は前年比4.3%増の10.46億個となった。
自動車・産業機器向けは自動車の環境対応や安全性向上の為の電装部品の搭載個数が飛躍的に増加しており、産業機器も電装化の進展で需要が拡大している。通信機器向けもスマートフォン生産台数成長は鈍化しているものの高機能・高性能化により需要は堅調に推移している。中華圏における生産台数の調整も進み回復基調にある。PC向けも高性能化による1台当たりの部品数増加などで需要は拡大している。
しかし、レアアース国内需要は需要家の生産の海外シフトやセラミックコンデンサの小型化、省レアアースの進展により大きな伸長は見られない。

4.排ガス触媒
 2018年の世界の自動車販売台数は2017年から微減。前半は好調であったが後半は失速。とくに中国、欧州の販売不調が続いている。国内の販売は堅調に推移、北米の販売も堅調に推移していることから国内自動車生産台数は2017年から微増となった。2018年1~12月の自動車排気ガス浄化用触媒生産量は11,605トンと、2017年1~12月の11,325トンから2.5%増、さらに2017年から販売量については4.4%増、販売金額については20.6%増となった。ガソリン車の世界的な排ガス規制強化による需要増と、販売金額の増加は触媒に使われるパラジウムの市況の影響によると思われる。
2019年については、引き続き2018年後半からの世界自動車市場の減速の影響が懸念される。また国内では10月に予定されている消費税引き上げにも留意する必要がある。

5.研磨材
液晶用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板などに使用されるセリウム系研摩材の2018年1~12月需要は、前年に続き堅調に推移した。液晶用ガラス基板向けについては、パネル市場で一服感が出た前半はやや弱含みだったが、後半は堅調に推移した。一方、ハードディスク用ガラス基板向けは、SSDへの置き換えトレンドは継続しているものの、サーバー等の大容量向け需要は拡大している事から、全体需要は前年並みに推移したと見られる。

活動概要

・中国から提案された希土類原料・製品各種のISO標準作成について、経済産業省国際標準課、金属課等関係課と意見交換するとともに、国内対応のために新設した研究会・委員会に部会全社が参加するなど対応を行いました。 ・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に...

活動概要

・中国から提案された希土類原料・製品各種のISO標準作成について、経済産業省国際標準課、金属課等関係課と意見交換するとともに、国内対応のために新設した研究会・委員会に部会全社が参加するなど対応を行いました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に協力しました。
・日本の希土類需要推移を集計し、公表するとともに、製品ごとの需要状況等について経済産業省金属課及び資源エネルギー庁鉱物資源課と情報・意見交換会を開催しました。
・中国が特恵関税対象国から卒業するに当たり、一部の加工用原材料品が課税対象品となることから、輸入関税非課税品の対象となるように折衝を開始しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

18世紀
1794:レアアースの発見
19世紀
19C末:ガスマントル(トリウム、セリウム)が工業化
1940年代
1947:レアアース15元素すべて明らかになる
ブラジル、インド、アメリカでモナザイト鉱石の処理本格化
1950年代
1951:米Molycorp,Montain Pass操業開始
1952:IndianRareEarths、操業開始
1954:モナザイトの世界生産量1万トン
1956:米W.R Grace社、希土類生産開始
1957:中国で白雲鉱処理開始
1960年代
モナザイト鉱石の生産はブラジル、インド、アメリカ、南アフリカ、オーストラリア
アメリカでプラセオ黄の顔料が開発される
FCC触媒量産
1970年代
アラスカの天然ガス輸送パイプラインにミッシュメタル添加がブームに
超磁歪材料(TbDyFe)が開発される
1977:中国から日本へ希土類原料輸入開始
1980年代
1980:中国希土工業代表団来日。協会、阪大、関係者各社訪問
1981:中国でイオン吸着鉱開発
1985:希土類鉱石の世界生産量4万トン
1987:中国、希土類原料で世界一の生産国となる
1988:第1回日中レアアース交流会開催
1990年代
オーストラリアでモナザイトの公害問題が表面化
1992:ブラジル、希土類鉱石の処理中止
1993:中国、鄧小平氏が南順講話にて「中東有石油、中国有希土」と発言
1994:マレーシア、希土類の分離中止
1997:中国、希土類製品の輸出許可制度がスタート
2000年代
2000:希土類鉱石の生産量8.1万トン中国が85%を占める
2002:中国で希土類の鉱山開発、製錬分離事業への外国企業の投資が禁じられる
2004:中国、希土類鉱石生産量9万8,000トン
2008年代
2005:中国、希土類製品の輸出に関し、増値税還付を廃止
希土類原料の価格上昇
希土類原料の中国依存度の問題
1926年代
ライター石の生産開始
1940年代
アークカーボン用フッ化セシウム量産開始
1950年代
板ガラスの研磨に酸化希土(セリウム)が本格採用される
鉄鋼用ミッシュメタル量産開始
1960年代
1962:新金属早わかりシリーズ『レアアース』刊行(新金属協会)
日立、カラーテレビ「キドカラー」発売
Y、Euに蛍光体需要出る
酸化ランタンを添加した高屈折レンズが開発される
1970年代
セラミックコンデンサーに酸化ランタンが使用される
ソニー、ウォークマン発売
SmCo磁石の需要拡大
自動車三元触媒の登場。酸素センサーの開発(Ce、Y)
1980年代
1982:日本希土類学会創立
三波長蛍光ランプの普及(Y、Eu、Tb)始まる
ミノルタ、オートフォーカスα7000発売
住友特殊金属、NdFeB磁石を発表
世界的な超伝導フィーバー(Y)
1990年代
ニッケル水素電池が実用化
ソニー、ミニディスク発売(Tb、Dy)
自動車用の紫外線吸収ガラスにセリウムが使用される
1993:希土類磁石がフェライト磁石の販売額を抜く(1,767トン、488億円)
携帯電話が普及し始める
Windows95発売。
HDD向けネオジ磁石の需要拡大
トヨタ初代プリウス発売
2000年代
ランタン添加の高性能フェライト磁石普及
京都議定書批准による省エネ、環境問題から、モーター、電池の需要増大
【課題】燃料電池の開発、磁気冷凍の開発、コージェネデバイスの普及、希土類原料のリサイクル促進
2005年代
2代目プリウスでハイブリッドカーが普及(ネオジ磁石、ニッケル水素電池の需要拡大)
フラットパネルディスプレイの普及(PDP、液晶)
1940年代
1943:探照灯用フッ化希土生産のため日本金属化学(現・太陽鉱工)が設立される
1947:清美化学(現・セイミケミカル)設立
1949:日本金属化学、新日本金属化学に社名変更
1949:三徳金属工業(現・三徳)設立
1950年代
1957:日産稀元素化学設立。希土類化合物の生産開始
1957:和光物産、IREの総代理店となる
1960年代
1963:三井金属、三井物産と合弁で、三金レアアースを設立
1966:信越化学、高純度イットリアの企業化発表
1968:三井金属、東北金属工業との合弁で日本イットリウムを設立
1969:三金レアアース、三井金属の完全子会社となる
1970年代
1970:新日本金属化学、三光稀元素静岡工場を買収
1971:三徳金属、希土類金属の酸化物電解法を工業化
1974:三菱商事、Molycorpの総代理店になる
1975:三菱化成、Malaysian Rare Earth Corp(MAREC)を設立
1979:三菱化成、ノルウェーMEGONと合弁で、MCI-MEGONを設立
1980年代
1980:三菱化成、マレーシアにAsian Rare Earth(ARE)を設立
1980:三井金属、三金レアーアースを解散
1984:昭和電工、希土類合金の製造を開始
1985:住友軽金属工業、希土類母合金の生産開始
1985:三井金属鉱業、三池メタル工場で中国イオン鉱の処理開始
1986:ローヌプーラン、住友金属鉱山と合弁で、日本レアアースを設立
1986:三菱金属、アメリカReactive Metalと合弁で、NEOMETを設立
1990年代
1990:住友金属工業、Molycorpと合弁で、住金モリコープを設立
1994:日本レアアース解散
1997:同和レアアース解散
1997:三菱化学、黒崎工場の希土類生産を中止
1998:三菱マテリアル、アメリカ子会社Neometを清算
1999:三徳、アメリカ子会社Santoku Americaを設立
2000年代
2001:住友軽金属工業、希土類母合金の製造中止
2001:三徳、中国包頭に子会社の包頭三徳電池材料有限公司を設立
2002:昭和電工、中国包頭にネオジム合金を製造する合弁会社を設立

会員企業

関係学会