一般社団法人新金属協会

ターゲット部会

業界業況

【半導体ターゲット】 2020年の半導体市場は新型コロナウイルスと米中貿易摩擦という2つの要因が複雑に影響を与えた。2020年12月発表のWSTSの秋季の半導体市場予測によると、2020年は前年比5.1%増の4,331億ドル見込みである。2020年は新型コロナウイルスにより、自動車業界を始め世界経済...

業界業況

【半導体ターゲット】

2020年の半導体市場は新型コロナウイルスと米中貿易摩擦という2つの要因が複雑に影響を与えた。2020年12月発表のWSTSの秋季の半導体市場予測によると、2020年は前年比5.1%増の4,331億ドル見込みである。2020年は新型コロナウイルスにより、自動車業界を始め世界経済悪化の影響を受けているものの、5Gスマートフォンの需要増加や、在宅勤務やオンライン授業などの拡がりでPCやデータセンター関連機器の需要が増加し、こうした巣ごもり需要の恩恵により、世界経済に比べ半導体市場が堅調に推移しているとしている。

コロナ禍により物流の混乱や感染者隔離に伴う生産減や設備導入・立上げ遅延が生じ、リスク回避のために安全在庫を積む動きがサプライチェーンで多層的に発生し、また代替サプライヤーを増やす動きも顕在化した。足許(21年1月)、車載用半導体不足により自動車メーカーが減産を余儀なくされ、世界各国を巻き込んだ騒動となっていたり、また20年10月に宮崎県延岡市にある旭化成エレクトロニクス(株)の半導体工場にて発生した火災による影響が広がっていることなど、半導体サプライチェーンの広範さが認識されると共に、BCPの重要性が再度クローズアップされている。

2021年は同WSTSによると、コロナ禍状況の改善を前提に世界経済も回復すると期待し、半導体市場も成長が加速するとして、8.4%増の4,694億ドルと見込んでいる。2020年に打撃を受けた自動車業界が急回復し関連市場が高成長する、また5Gの更なる進展が幅広い製品の需要拡大に貢献するとしている。半導体メーカーの設備投資、データセンター向け投資、ファウンドリの稼働率、メモリ需要などは比較的にポジティブな見方が多く、全世界のデジタル・トランスフォーメーションの加速による市場全体の成長が期待される。例えば半導体市場でのポジションがより上がっているTSMCは、21年の設備投資計画を先端プロセス向けを主として250億~280億ドル(前年比45~63%増)と発表し、強い需要を背景に好調さが目立っている。

米中貿易摩擦に関してはこれまでのHuaweiへの規制に加えて、12月に米国政府によりSMICがエンティティリスト入りした。10nm以下用途の設備・材料の輸出を禁じるもので、事実上新規の装置購入が困難となり、先端プロセスの開発や拡張が出来なくなる。既存のプロセスも設備・材料入手の不透明性が増すことによるインパクトは大きく、他ファウンドリへの転注が進むことが見込まれる。米中対立により重要な半導体産業を自国に取り戻す動きも生じており、中国においては非米国技術のサプライチェーン構築に力を入れ、国産化もより推進されると思われる。

 

【FPD用ターゲット】

2020年上半期(1~6月)のTV用パネル出荷は、コロナウイルスの感染流行によるロックダウン、需要減退の影響を受け、出荷量の落ち込みを見せた。但し、短期的な落ち込みの結果となり、前年同期比では微減の結果となった。

2020年下半期(7~12月)の大型パネルに関しては、コロナウイルスの感染流行における巣ごもり消費の拡大により、TV販売が好調なため、TVメーカーからパネルメーカーへの需要が増加し、パネル供給は逼迫している。その影響により、パネル価格の大幅な値上がりが継続している。パネル価格上昇によるTVブランドメーカーの購買意欲や今後のコロナウイルス感染流行度合いを見通すことが難しく、先行きは不透明の状況が続くものと見られる。

中小型パネルに関しては、上述の大型パネルと同様にコロナウイルスの影響による需要減退でスマートフォンの出荷台数は前年同期比で減となった。但し、在宅勤務の浸透、在宅期間の長期化による影響を受けて、タブレット・ノートPCの出荷台数は好調を見せた。

2020年上半期(1~6月)の透明導電膜用ITOターゲット需要は、大型パネルラインの不調があったものの、短期間での落ち込みであったため微減の結果となった。ITOの主原料であるインジウムの相場は、Low価格で140ドル/kg近辺を推移しており落ち着いている。だが2020年下半期(7~12月)のインジウム相場は上昇基調にあり、足元Low価格で180ドル/kgをつけている。透明導電膜用ITOターゲットの需要は、韓国パネルメーカーが生産延長を決定したこともあり、パネル動向と同様、先行きは不透明の状況が続くものと見られる

 

【HDD(ハードディスクドライブ)用ターゲット】

各調査機関によると、HDDの出荷台数は、2020年2億5,700万台(前年比19.1%減)から2021年2億2,500万台(同12.6%減)に減少と予想される。HDDはPC、ゲーム等でSSDへの需要シフトが続き出荷台数の減少が続く。現在、SSD出荷台数のうちPC向けが約60%を占めるため、今後のSSD出荷台数はPC需要の影響を受けやすい。

一方、データセンター向けニアラインHDD(NL HDD)の出荷台数は、2020年約6,200万台(前年比17%増)から2021年6,700万台(同8%増)に増加と予想される。2021年も新常態での在宅勤務継続やオンラインサービスの拡充に支えられ世界全体でのデータ需要は伸びる見込みである。

また、GAFAによるデータセンター向け投資も続き、NL HDD向けの生産は堅調に推移するものと予想される。

ニアラインHDD用途が牽引するHDD用ターゲット需要は、短期・中期的にも堅調に推移すると見られている。

活動概要

・協会会員外のターゲットメーカーにも広く調査協力を呼びかけ、ターゲットの市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図りました。 ・ITO等の取り扱い作業による健康障害防止策に関する技術指針や特定化学物質障害予防規則等の改正について、情報収集を行いました。 ・新金属産業災害防止対策安...

活動概要

・協会会員外のターゲットメーカーにも広く調査協力を呼びかけ、ターゲットの市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図りました。
・ITO等の取り扱い作業による健康障害防止策に関する技術指針や特定化学物質障害予防規則等の改正について、情報収集を行いました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、新規対象業種として統計類の整備、解析、ハザードの抽出、安全対策等に関する調査・提言を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1955年代
1959:キルビー(IT)特許
1959:プレーナ特許
1960年代
1960:MOFET発明
1963:CMOSトランジスター
1966:AC型PDP発表
1970年代
1971:TN-LCD発表
1973:液晶時計、電卓発表
1977:最初のパソコン
1979:aSi-TFT発表
1980年代
1984:STN-LCD実用化
1986:松下電器、TFT生産開始
1987:コダック社、有機EL基本特許
1989:松下電器、TFT量産開始
1990年代
1993:PDPテレビ量産開始
1997:フルカラー有機ELディスプレイ発表
2000年代
LTPS量産技術の確立
1970年代
1970年代TN液晶:電卓、時計
1980年代
1980年代STN液晶:携帯情報機器
1983:ITOターゲット販売開始
1986:密度70%アップITO
1988:低重圧スパッタ法開発により、一挙にITOターゲットが普及
1989:密度85%アップITO
1990年代
1990年代aSi-TFT液晶:パーソナルコンピュータ
1991:密度90%アップITO
1994:密度95%アップITO
1998:密度98%アップITO
2000年代
2000年代aSi-TFT/LTPS、高温ポリSi TFT:TV、携帯電話、PDA
1950年代
1956:最初のHDD(IBM)
1960年代
1960:レーザーの発明(Meiman)
1970年代
1970:Hunt磁気抵抗効果型ヘッドの発明
1972:レーザーディスク発表(Philips)
1978:レーザーディスク発売(日米)
1979:コンパクトディスク(CD)開発
19800年代
1985:CD-ROM普及
1988:MOディスク発売3.5インチタイプ容量
1990年代
1990:DVD用半導体レーザー開発1990:追記型 CD-R発売
1991:GMRヘッド材料の提案
1992:MD発売(ソニー)
1995:DVD規格統一
1996:DVDプレーヤー発売
1997:書換型CD-RW発売
1998:書換型DVD発売(松下)
2000年代
2000:青色半導体レーザー開発
2000:MDLP発売(ソニー)
2002:高記録密度Blue-ray Disc HD DVD規格成立
2003:ブルーレイレコーダー発売(ソニー)
2004:Hi-MD発売(ソニー)

会員企業