一般社団法人新金属協会

シリコン部会

業界業況

1.2017年の実績 (1)2017年の世界半導体市場は、マクロ経済の緩やかな成長と共に、電子機器全般における半導体需要の拡大、特にデータセンター向けメモリーの伸長、車載向けの増加などを背景に成長した。WSTS統計によれば、2017年の金額ベースの市場規  模は、初めて4,000億ドルの大台を超え、...

業界業況

1.2017年の実績
(1)2017年の世界半導体市場は、マクロ経済の緩やかな成長と共に、電子機器全般における半導体需要の拡大、特にデータセンター向けメモリーの伸長、車載向けの増加などを背景に成長した。WSTS統計によれば、2017年の金額ベースの市場規  模は、初めて4,000億ドルの大台を超え、前年比22%増の4,122億ドルとなった。
  また、シリコンウエーハ出荷面積と相関があるIC半導体出荷個数についても、前年比15%増と継続して伸長した。
(2)2017年の世界シリコンウエーハ市場は、年後半の季節的調整も軽微で、春先以降好調な需要が継続した。
  SEMI統計によれば、2017年の半導体用シリコンウエーハ出荷面積は、前年比 10%増の118億平方インチとなり、5年連続の増加になるとともに過去最高を記録した。販売金額については、前年比21%増の87億ドルとなった。
(3)経済産業省非鉄金属統計の国内シリコンウエーハの生産・販売・在庫動向については、一昨年来、生産は徐々に増加し、販売は在庫を減らしながらの拡大が継続した。
  300mm販売は前年比8%増と通年で過去最高を更新し、200mm販売は長期的な減少傾向から増加に転じ前年比18%増と伸長し、150mm販売も減少傾向に歯止めが掛かり前年比13%増と増加した。
(4)当部会集計の国内高純度シリコン統計によれば、2017年の多結晶国内生産は、シリコンウエーハ市場の拡大に伴い伸長し、前年比10%増の10,748トンと5年ぶりの10,000トン越えとなった。
  単結晶国内生産は、旺盛な半導体需要に支えられ4年連続の増加となった。過去に国内200mm以下の能力縮小があったが、300mmを中心に各口径とも伸長し、前年比9%増の9,199トンと過去最高を更新した。
  国内単結晶の販売についても、前年比9%増の9,985トンと過去最高となった。国内向けは僅かに減少したが、海外向けが前年比18%増の5,731トンと大幅増となり、輸出比率は前年の53%から57%に拡大した。

2.2018年の見通し
(1)2018年の半導体市場は、IoTの浸透、自動車の先進運転支援システム(ADAS)搭載車やNEV車の増加、旺盛なデータセンター向け需要、スマートフォンの高機能化などを背景に緩やかに成長することが見込まれている。
  2017年秋季WSTS予測によれば、2018年の半導体市場は、前年比7.0%増の4,373億ドルと成長が持続すると予想されている。
(2)当部会は、2018年のウエーハ需要について、WSTSや各種予測も踏まえ、半導体メーカーの能力増強とロジックやDRAMなどの1Xnm世代以降の先端品需要の拡大、環境・省エネルギー需要の伸長などにより、昨年来の好調が継続し、300mm  の強い需要と200mm以下についても好調な需要が続くものと予想する。
  ・多結晶需要については、依然としてフル操業には至らないものの、今後は、半導体向けシリコンウエーハの生産拡大に伴い、能力余剰は徐々に解消されていくものと予測する。
  ・2018年の単結晶国内生産は、300mm・200mmを中心に需給タイトな状況が継続すると予想し、各社の生産努力を踏まえ前年比2%増の9,380トンを見込む。
  ・国内単結晶販売は、年後半の季節的変動が懸念されるものの、堅調な需要が継続すると予想し、前年比2%増の10,190トンと初の10,000トン超えを見込む。輸出比率に関しては昨年並みの57%程度になると予想する。

3.終わりに
シリコン業界を取り巻く事業環境は、内外半導体メーカーのM&Aや事業再編、中国の半導体関連事業国産化の動き、極限まで追求されつつある半導体微細化の進展、シリコンメーカーの合併や新たなシリコンメーカーの登場など、様々な需要構造変化が続いている。また、国内固有の懸念事項として、世界的に割高な国内電力料金の問題もある。

<今後のシリコン業界の課題>
① 需要構造変化と品質高度化への対応
  1)最先端デバイスの高精度要求への対応
  2)生産性向上と不断のコスト低減
② 世界的に割高な国内電力料金への対応
③ 継続的成長を実現する安定的収益確保
④ 供給安定化への対応

活動概要

・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。 ・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に...

活動概要

・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。
・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に取り組むこととしました。
・経済産業省の金属素材競争力強化プランの具体化に向けて、同省金属課が策定した「シリコン業界の産業戦略」について、特にシリコン産業の将来展望等に関し意見交換するなど、必要なフォローアップを行いました。
・再生可能エネルギー買い取り制度における賦課金減免制度の見直し議論に関して、資源エネルギー庁の説明会に出席して意見交換するとともに、経済産業省金属課からの各種調査要請に対応しました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・年2回の新聞記者会見を開催しました。平成28年7月は、売上高、設備投資額等について、平成29年3月には生産量、販売量等を報告し、シリコン業界の現況を説明しました。また、記者会見開催時に経済産業省金属課と情報交換会を開催し、経済産業行政、業界動向について意見交換しました。
・シリコン技術委員会では、シリコン業界共通の技術課題の検討や技術動向に関する意見交換を行うとともに、(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)やSEMIの会議に参加した委員と情報を共有しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、多結晶シリコンメーカーが主体となりフォローアップ調査を継続しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1955年代
長船氏(NEC)がBELL研から帰国後、
電気通信研究所でシリコンの研究スタート
当時海外品のみ、国産化の要望が高まる
1960年代
半導体シリコンデバイスの時代へ(LSIの始まり)
内需・輸出ともに増大
1969:日立のPower Trを使ったカラーテレビが爆発的に売れる
1970年代
1972〜電卓がブームに
トランジスターテレビの普及により家電用半導体が急伸
NECが九州日電、東芝が大分に進出、日立が高崎に新工場
1971(S46)の不況後、1972〜74は好況
1973:オイルショック
1974:ニクソンショックの影響で1975(S50)不況
日本半導体で世界に躍進
日本、メモリで躍進
1976:日立16K生産開始
1979:64K量産

1980年代
1980:NEC64K量産化
1981:64K一斉量産化
NEDOとJDP、太陽電池プロジェクト開始
NEDO報告書でシリコンの需要増を展望
NECの4→6インチ化を皮切りに、日本のデバイスメーカー6インチ化を進める
1988:1M DRAMで東芝が圧勝
1990年代
パソコン、携帯電話等、パーソナルユースの増大
1994:世界的にシリコンサミットが開催され、次世代ウエハーを300mmに決定
1996〜98:日本半導体の構造転換が始まる(DRAMからSystem LSI(1999)に、IDMからファンドリー優位に)
台湾がELSOを作り、日本を模倣して半導体に力を入れる
2000年代
半導体の生産が韓国東南アジアにシフト
電子製品が産業用からパーソナル(民主)化で低価格化志向が顕著になる→材料への値下げ要求となっている
2001:ITバブルの崩壊
有力デバイスメーカーにおいて本格的な300mmライン構築が始まる
半導体デバイスメーカーの寡占化
半導体生産は韓国、中国への生産シフトが予想される
微細化技術の限界で、大口径化ないし材料コストへの要求が厳しくなる
1955年代
ゲルマニウム素子からシリコンデバイスへの転換→シリコンビジネスとして成立
長船氏、ソニー等の要望を受け半導体シリコンの製造に取りかかる→各社本格的生産体制へ
1970年代
日本での地盤確立→世界を視野に入れたビジネスへ
アメリカ市場への進出
高品質シリコンウエハーの基礎確立日本メーカー海外販売に注力し出す
日本のデバイスメーカーとの技術交流を通じ、デバイス留まりへのシリコン品質のポイント習得、品質で優位性築く
1980年代
日本の半導体デバイスメーカーの躍進に合わせ、日本のシリコンメーカー成長
世界に先駆けて、日本で大口径化の動きが出、日本が最先端基地となる
1983〜84:シリコン多結晶が逼迫各社ウエハー増産
大口径化、ビジネスモデル(日本の先行投資型、アメリカの単年度収益主義)、デバイス特性に合わせたシリコン品質の作り込みで日本優位が確定
1990年代
1994:世界的にシリコンサミットが開催され、次世代ウエハーを300mmに決定
Seleteがスタート:300mmウエハーの品質評価を実施
J300の設立と活動:SEMATECH、SEMIと連携し、300mmの事前標準化を推進
300mm工場が本格稼働
日本のシリコン各社、グローバル展開が効果を上げ、8インチで技術・販売・生産ともに優位を維持
1997〜98:多結晶逼迫
300mm時代への対応としてシリコン各社によるシッピングボックス標準化・共通化の取り組み実施
200mmで、IBM、Intel、東芝、三星、TSMC、Hynix、Siemens等の先行デバイスメーカーへの納入でも日本メーカー先行
台湾、シンガポールの半導体ビジネスの胎動期から積極的に販売・技術サービス実施。地盤を確保
2000年代
300mm時代を迎え、シリコンメーカーの投資負担が巨額化
多結晶、太陽電池用原料としての需要が急拡大
1950年代
1954:東海電極、東北大学の小野教授の研究成果を引き継ぎ、通産の補助金を受けて1960年頃より設備化、本格操業(1961)
大阪チタニウム、NECから製造依頼を受け、製造研究スタート
1957:信越化学、NECから高純度シリコン製造の要請を受ける
その後シーメンスからの技術導入により製造スタート(1960)
1959:日窒電子化学、野田工場で製造開始(ソニーから話があり研究スタート)
1959:日本電子金属、ペシネ技術導入でポリエ工場建設(1960)
1960年代
1960:小松製作所、石塚氏のシリコン技術で小松電子金属設立
1967:信越化学、ダウコーニングと合弁で、信越半導体を設立
1967:高純度シリコン設立
1980年代
1970:三菱モンサント化成、日本国内に参入(サントミラー)
1973:九州小松電子、九州電子金属、信越マレーシア
1974:三菱金属、チッソ電子化学を買収し、東洋シリコンを設立
1977:東芝セラミックス、操業開始
1978:東洋シリコン、日本電子金属を合併し、日本シリコンを設立
1980年代
徳山曹達(現・トクヤマ)、多結晶に進出、1984:工場完成 鉄鋼各社、シリコンビジネスに参入
1990年代
1991:日本シリコン、三菱マテリアルシリコンに社名変更
1993:大阪チタニウム、住友シチックスに社名変更
各社統廃合、合理化に動く
1996〜2001:シリコン業界協力し、次世代シリコン製造技術の確立のためのSSiを設立
各社300mmパイロットラインを設置
1999:300mm事業化でSUMCO設立
信越半導体、台湾に進出(1997:生産開始)
コマツ電子金属、台プラと合弁で台湾進出(1995:会社設立、99:年生産開始)
2000年代
2003:日本のシリコンメーカーが市場の65%を占める
経営合理化(工場整理、人員削減、生産集約化)

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