一般社団法人新金属協会

シリコン部会

業界業況

1.2016年の実績 (1)2016年の世界半導体市場は、マクロ経済の緩やかな成長と共に、スマートフォンの成長継続と高機能化、データセンター向メモリーの伸長、車載向の拡大等により数量ベースでは堅調に推移した。 WSTS統計によれば、2016年の金額ベースの市場規模は、DRAM等で減少になったこともあ...

業界業況

1.2016年の実績
(1)2016年の世界半導体市場は、マクロ経済の緩やかな成長と共に、スマートフォンの成長継続と高機能化、データセンター向メモリーの伸長、車載向の拡大等により数量ベースでは堅調に推移した。
WSTS統計によれば、2016年の金額ベースの市場規模は、DRAM等で減少になったこともあり、全体では前年比1%増の3,389億ドルとなった。
一方、シリコンウエーハ出荷面積に影響するIC半導体出荷個数に関しては、前年比7%増となり2013年以降の増加基調を継続した。
(2)2016年の世界シリコンウエーハ市場は、年前半はやや低調に推移したが、その後、例年の季節的調整が見られず、堅調な需要が継続した。
SEMI統計によれば、2016年の半導体用シリコンウエーハ出荷面積は、前年比3%増の107億平方インチとなり、4年連続の増加になると共に過去最高を記録した。
販売金額については、前年比1%増の72億ドルとなった。
(3)経済産業省非鉄金属統計の国内シリコンウエーハの生産・販売・在庫動向についても、世界シリコンウエーハ市場と同様の傾向となり、各口径共に年初から増加傾向となり夏場以降も堅調な生産・販売が続いた。
300mm販売は前年比4%増となり、過去最高を更新した。
200mmも長期的減少傾向から漸増へ転換し、150mmも減少傾向に歯止めがかかった。
(4)当部会集計の国内高純度シリコン統計によれば、2016年の多結晶国内生産は、シリコンウエーハ市場の拡大に伴い前年に引き続き増量となり、前年比10%増の9,774トンとなった。
単結晶国内生産は、半導体市場の数量増加に伴うシリコンウエーハ市場の伸長により拡大基調が継続した。
過去の国内200mm以下能力縮小もあり史上最高には及ばないが、300mmを中心とした伸長により、前年比4%増の8,408トンとなった。
国内単結晶の販売については、前年比4%増の9,127トンとなった。特に海外向けが前年比9%増の4,856トンと大幅増となり、輸出比率は前年の51%から53%に拡大した。

2.2017年の見通し
(1)2017年の半導体市場は、IoTによる産業構造変革と共に、自動車の先進運転支援システム(ADAS)を始めとした電装化率向上、ストレージ用メモリー需要の拡大、スマートフォンの 台数増と高機能化等を背景に緩やかに伸長することが見込まれる。一方、世界的な政治情勢の不透明化によるマクロ経済への影響が懸念される。
(2)2016年秋季WSTS予測によれば、2017年の半導体市場は、前年比3.3%増の3,461億ドル、2018年も前年比2.3%増の3,540億ドルになると見込まれ、2015年から2018年までの年平均成長率は金額ベースで1.8%になり、緩やかな成長が予想されている。
2017年の地域別成長率は、米国4.7%増、アジア3.2%増、日本2.4%増、欧州2.3%増と全ての地域で成長を見込んでいる。
また、2017年のIC製品別では、アナログ4.9%増、メモリー4.4%増、ロジック2.7%増、マイクロ1.2%増と全ての製品で成長を見込んでいる。
(3)当部会は、2017年のウエーハ需要について、WSTSや各種予測も踏まえ、半導体メーカーの能力増強と2Xnm以細の先端品需要の拡大や環境・省エネ需要の伸長などにより、昨年からの好調が継続され、300mmの強い需要と200mm以下についても堅調な需要が続くものと予想する。
(4)多結晶需要については、シリコンウエーハの生産拡大に伴い堅調に伸長するが、依然として生産調整は続いている。
今後は、半導体向け需要の伸長、ならびに、太陽電池向けの継続的市場拡大により、能力余剰は徐々に解消されていくものと予測する。
2017年の単結晶国内生産は、300mmを中心に需給がタイトな状況が継続することが予想され、数量としては前年比2%増の8,580トンを見込む。
国内単結晶の販売は、季節変動が懸念されるものの、堅調な需要が期待され、前年比2%増の9,310トンを見込む。内需・輸出共に同程度の増加が見込まれ、輸出比率に関しては昨年並みの53%程度になると予想する。

3.シリコン業界の課題
(1)シリコン業界を取り巻く事業環境は、内外半導体メーカーのM&Aや事業再編、中国の半導体内製化への動き、極限まで追求されつつある半導体微細化の進展、シリコンメーカーの合併等、様々な需要構造変化が続いており、更には国内固有の懸念事項として、世界的に割高な電力料金の問題もある。
また、安全面においても、2014年に発生した加盟一社の事故の重大性を真摯に受け止め、安全操業確保の諸施策を実施し、新金属協会「災害防止対策安全委員会」で策定した行動計画を展開することで、安全管理体制の強化に継続的に取り組んでいる。
(2)需要構造変化への対応と共に、最先端半導体の品質要求を満たす高精度ウエーハの開発と安定供給を図り、生産性向上と合理化による不断のコスト低減活動を推進しており、環境・省エネ指向拡大に伴うパワー半導体向けの需要増へも対応していかなければならない。
これらパワー半導体等今後の成長分野における材料規格の重要性に鑑み、シリコン部会と連携する形で新金属協会に「半導体サプライチェーン材料規格研究会」を設け標準化活動を行っている。
更に、国が進める金属素材競争力強化プランのシリコン産業への展開により競争優位性を維持強化すると共に、将来のスマート社会に貢献するため、シリコン業界の継続的成長と安定的収益確保を図らなければならないと考えている。
(3)半導体産業の中長期的な発展のため、各社それぞれの経営課題としての対応はもとより、原材料メーカーや半導体メーカーとの関係強化により課題解決に努めて参る所存であり、半導体産業ひいては我国ハイテク産業全般に対して、必要不可欠な材料を担う当シリコン業界の健全な発展のために、引き続きご支援を賜りたくお願い申し上げる次第である。

活動概要

・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。 ・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に...

活動概要

・シリコン部会では、業界共通課題の検討、関係官庁・団体等の動向に対する意見交換を行いました。
・平成28年11月、経済産業省金属課及び情報通信機器課とシリコン各社トップの懇談会を開催しました。また、シリコン懇談会における話題等に関して、経済産業省金属課と意見交換をするとともに、必要に応じて課題解決に取り組むこととしました。
・経済産業省の金属素材競争力強化プランの具体化に向けて、同省金属課が策定した「シリコン業界の産業戦略」について、特にシリコン産業の将来展望等に関し意見交換するなど、必要なフォローアップを行いました。
・再生可能エネルギー買い取り制度における賦課金減免制度の見直し議論に関して、資源エネルギー庁の説明会に出席して意見交換するとともに、経済産業省金属課からの各種調査要請に対応しました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・年2回の新聞記者会見を開催しました。平成28年7月は、売上高、設備投資額等について、平成29年3月には生産量、販売量等を報告し、シリコン業界の現況を説明しました。また、記者会見開催時に経済産業省金属課と情報交換会を開催し、経済産業行政、業界動向について意見交換しました。
・シリコン技術委員会では、シリコン業界共通の技術課題の検討や技術動向に関する意見交換を行うとともに、(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)やSEMIの会議に参加した委員と情報を共有しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、多結晶シリコンメーカーが主体となりフォローアップ調査を継続しました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1955年代
長船氏(NEC)がBELL研から帰国後、
電気通信研究所でシリコンの研究スタート
当時海外品のみ、国産化の要望が高まる
1960年代
半導体シリコンデバイスの時代へ(LSIの始まり)
内需・輸出ともに増大
1969:日立のPower Trを使ったカラーテレビが爆発的に売れる
1970年代
1972〜電卓がブームに
トランジスターテレビの普及により家電用半導体が急伸
NECが九州日電、東芝が大分に進出、日立が高崎に新工場
1971(S46)の不況後、1972〜74は好況
1973:オイルショック
1974:ニクソンショックの影響で1975(S50)不況
日本半導体で世界に躍進
日本、メモリで躍進
1976:日立16K生産開始
1979:64K量産

1980年代
1980:NEC64K量産化
1981:64K一斉量産化
NEDOとJDP、太陽電池プロジェクト開始
NEDO報告書でシリコンの需要増を展望
NECの4→6インチ化を皮切りに、日本のデバイスメーカー6インチ化を進める
1988:1M DRAMで東芝が圧勝
1990年代
パソコン、携帯電話等、パーソナルユースの増大
1994:世界的にシリコンサミットが開催され、次世代ウエハーを300mmに決定
1996〜98:日本半導体の構造転換が始まる(DRAMからSystem LSI(1999)に、IDMからファンドリー優位に)
台湾がELSOを作り、日本を模倣して半導体に力を入れる
2000年代
半導体の生産が韓国東南アジアにシフト
電子製品が産業用からパーソナル(民主)化で低価格化志向が顕著になる→材料への値下げ要求となっている
2001:ITバブルの崩壊
有力デバイスメーカーにおいて本格的な300mmライン構築が始まる
半導体デバイスメーカーの寡占化
半導体生産は韓国、中国への生産シフトが予想される
微細化技術の限界で、大口径化ないし材料コストへの要求が厳しくなる
1955年代
ゲルマニウム素子からシリコンデバイスへの転換→シリコンビジネスとして成立
長船氏、ソニー等の要望を受け半導体シリコンの製造に取りかかる→各社本格的生産体制へ
1970年代
日本での地盤確立→世界を視野に入れたビジネスへ
アメリカ市場への進出
高品質シリコンウエハーの基礎確立日本メーカー海外販売に注力し出す
日本のデバイスメーカーとの技術交流を通じ、デバイス留まりへのシリコン品質のポイント習得、品質で優位性築く
1980年代
日本の半導体デバイスメーカーの躍進に合わせ、日本のシリコンメーカー成長
世界に先駆けて、日本で大口径化の動きが出、日本が最先端基地となる
1983〜84:シリコン多結晶が逼迫各社ウエハー増産
大口径化、ビジネスモデル(日本の先行投資型、アメリカの単年度収益主義)、デバイス特性に合わせたシリコン品質の作り込みで日本優位が確定
1990年代
1994:世界的にシリコンサミットが開催され、次世代ウエハーを300mmに決定
Seleteがスタート:300mmウエハーの品質評価を実施
J300の設立と活動:SEMATECH、SEMIと連携し、300mmの事前標準化を推進
300mm工場が本格稼働
日本のシリコン各社、グローバル展開が効果を上げ、8インチで技術・販売・生産ともに優位を維持
1997〜98:多結晶逼迫
300mm時代への対応としてシリコン各社によるシッピングボックス標準化・共通化の取り組み実施
200mmで、IBM、Intel、東芝、三星、TSMC、Hynix、Siemens等の先行デバイスメーカーへの納入でも日本メーカー先行
台湾、シンガポールの半導体ビジネスの胎動期から積極的に販売・技術サービス実施。地盤を確保
2000年代
300mm時代を迎え、シリコンメーカーの投資負担が巨額化
多結晶、太陽電池用原料としての需要が急拡大
1950年代
1954:東海電極、東北大学の小野教授の研究成果を引き継ぎ、通産の補助金を受けて1960年頃より設備化、本格操業(1961)
大阪チタニウム、NECから製造依頼を受け、製造研究スタート
1957:信越化学、NECから高純度シリコン製造の要請を受ける
その後シーメンスからの技術導入により製造スタート(1960)
1959:日窒電子化学、野田工場で製造開始(ソニーから話があり研究スタート)
1959:日本電子金属、ペシネ技術導入でポリエ工場建設(1960)
1960年代
1960:小松製作所、石塚氏のシリコン技術で小松電子金属設立
1967:信越化学、ダウコーニングと合弁で、信越半導体を設立
1967:高純度シリコン設立
1980年代
1970:三菱モンサント化成、日本国内に参入(サントミラー)
1973:九州小松電子、九州電子金属、信越マレーシア
1974:三菱金属、チッソ電子化学を買収し、東洋シリコンを設立
1977:東芝セラミックス、操業開始
1978:東洋シリコン、日本電子金属を合併し、日本シリコンを設立
1980年代
徳山曹達(現・トクヤマ)、多結晶に進出、1984:工場完成 鉄鋼各社、シリコンビジネスに参入
1990年代
1991:日本シリコン、三菱マテリアルシリコンに社名変更
1993:大阪チタニウム、住友シチックスに社名変更
各社統廃合、合理化に動く
1996〜2001:シリコン業界協力し、次世代シリコン製造技術の確立のためのSSiを設立
各社300mmパイロットラインを設置
1999:300mm事業化でSUMCO設立
信越半導体、台湾に進出(1997:生産開始)
コマツ電子金属、台プラと合弁で台湾進出(1995:会社設立、99:年生産開始)
2000年代
2003:日本のシリコンメーカーが市場の65%を占める
経営合理化(工場整理、人員削減、生産集約化)

会員企業