2022年1月~12月の化合物半導体製品の出荷額は、前年同期比111%の329億円となりました。 結晶別ではGaAs、InPが増加する一方、GaP、その他は減少しました。用途別では可視LED、赤外LED、LDで増加し、その他が微減しました。 1.GaAs 2022年1月~12月のGaAsの売上高...
2022年1月~12月の化合物半導体製品の出荷額は、前年同期比111%の329億円となりました。
結晶別ではGaAs、InPが増加する一方、GaP、その他は減少しました。用途別では可視LED、赤外LED、LDで増加し、その他が微減しました。
1.GaAs
2022年1月~12月のGaAsの売上高は、国内が前年同期比89%の35.0億円と減少した一方で、海外向けが同112%の150.2億円と増加しました。全体としては同107%の186.8億円と増加しました。
GaAsの主な用途市場はスマートフォン等に使用される高周波デバイス、また各種の表示機器やセンサ等に使用される可視・赤外LED、および光ディスク・加工機・センサ等に使用されるレーザダイオード(LD)等があります。2022年の出荷金額増は、前半の5G関連需要の拡大に加え、海外案件での円安影響が大きいと推察しています。
2.GaP
2022年1月~12月のGaPの売上高は、国内が前年同期比103%の7.4億円と増加した一方、海外向けは同81%の8.1億円と減少でした。全体としては同90%の15.6億円と減少しました。
GaPの主要用途は可視LEDです。一旦、コロナ対応のための在庫積み増しによるGaP-LED使用機器の回復傾向が見られましたが、後半、国際情勢の変化による家電等の需要減により在庫過多となり減少傾向に転じたと推察しております。
3.InP
2022年1月~12月のInPの売上高は、国内が前年同期比117%の25.0億円、海外向けが同129%の83.5億円と増加しました。全体としても同126%の108.5億円と増加しました。
世界的なトラフィック増の動きが継続し、InPの主要な用途である光通信用の受発光素子の所要が堅調に推移した結果と推察しています。加えて、最近の報道ではInPでの民生用LEDの採用の動きが報告されており、その影響も含まれると推察します。
・協会会員外の化合物半導体メーカーにも広く調査協力を呼びかけ、化合物半導体の市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図るとともに、上期と下期の2回に分けて、業界の出荷状況を経済産業省と報道機関に報告しました。また、市場規模調査の在り方等について検討し、引き続き統計類の充実を図るた...
・協会会員外の化合物半導体メーカーにも広く調査協力を呼びかけ、化合物半導体の市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図るとともに、上期と下期の2回に分けて、業界の出荷状況を経済産業省と報道機関に報告しました。また、市場規模調査の在り方等について検討し、引き続き統計類の充実を図るための活動を進めました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。
導体と絶縁体の中間にあって、条件次第では導体にも絶縁体にもなり得る物質の総称である。
Si,Ge等は単体の元素の半導体であるが、複数の元素の化合物で半導体の性質をもつものを…
導体と絶縁体の中間にあって、条件次第では導体にも絶縁体にもなり得る物質の総称である。
Si,Ge等は単体の元素の半導体であるが、複数の元素の化合物で半導体の性質をもつものを化合物半導体と呼ぶ。その組合わせは、いろいろあるが代表的なものとして周期律表のⅢ族とⅤ族(GaAs,GaP,InP等)あるいはⅡ族とⅥ族(ZnSe,CdSe等)、Ⅳ族同士(SiC)の組合わせがあり、それぞれ異なった機能を発揮する。
化合物半導体にはSi等の単体元素半導体に比べ、次のような優れた特徴がある。
・受発光機能
・高速動作特性
・高周波特性
・磁電変換機能
・耐放射線・耐熱特性