2023 年度上期(2023 年 1 月~2023 年 6 月)の化合物半導体製品の出荷額は、前年同期比64%の108億円となりました。結晶別ではGaAs、InP、GaP、その他すべてにおいて減少しました。用途別では可視LED、赤外LED、LD、その他のすべてで減少いたしました。 1.GaA...
2023 年度上期(2023 年 1 月~2023 年 6 月)の化合物半導体製品の出荷額は、前年同期比64%の108億円となりました。結晶別ではGaAs、InP、GaP、その他すべてにおいて減少しました。用途別では可視LED、赤外LED、LD、その他のすべてで減少いたしました。
1.GaAs
2023 年度上期のGaAsの売上高は、前年同期比64%の64億円となりました。国内は同92%、
海外は同58%といずれも減少いたしました。
GaAsの主な用途市場はスマートフォン等に使用される高周波デバイス、また各種の表示機器やセンサ等に使用される可視・赤外 LED、および光ディスク・加工機・センサ等に使用されるレーザダイオード(LD)等がありますが、コロナ特需の一巡に加えて、世界情勢不安定によるマクロ景気の減速の影響を受け、在庫調整が長引いてるものと推察しています。
2.GaP
2023 年度上期のGaP の売上高は、国内が前年同期比43%の1.7億円、海外向けが同53%の2.6億円と減少しました。全体としては同49%の4.3億円となりました。
GaPの主要用途は可視LEDです。前年同期ではコロナ対応のための在庫積み増しによるGaP-LED使用機器の回復傾向が見られましたが、国際情勢の変化で家電等の需要減が継続しており、在庫過多による、調整状態が続いていると推察しています。
3.InP
2023 年度上期の InP の売上高は国内が前年同期比61%の7.6億円、海外向けが同64%の25.3億円と減少しました。全体としても同63%の33億円と減少しました。
世界的なデータトラフィック増がInPの主用途である光通信用の受発光素子の需要を牽引する状況が22年度上期まで継続しました。ところが、同年下期に入るとコロナ禍による各企業の過剰在庫積み上げ顕在化にデータセンター需要減速が加わり、各企業及びサプライチェーンは過剰在庫の調整期に入りました。この調整は23年上期も継続しているものと推察いたします。
・協会会員外の化合物半導体メーカーにも広く調査協力を呼びかけ、化合物半導体の市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図るとともに、上期と下期の2回に分けて、業界の出荷状況を経済産業省と報道機関に報告しました。また、市場規模調査の在り方等について検討し、引き続き統計類の充実を図るた...
・協会会員外の化合物半導体メーカーにも広く調査協力を呼びかけ、化合物半導体の市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図るとともに、上期と下期の2回に分けて、業界の出荷状況を経済産業省と報道機関に報告しました。また、市場規模調査の在り方等について検討し、引き続き統計類の充実を図るための活動を進めました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。
導体と絶縁体の中間にあって、条件次第では導体にも絶縁体にもなり得る物質の総称である。
Si,Ge等は単体の元素の半導体であるが、複数の元素の化合物で半導体の性質をもつものを…
導体と絶縁体の中間にあって、条件次第では導体にも絶縁体にもなり得る物質の総称である。
Si,Ge等は単体の元素の半導体であるが、複数の元素の化合物で半導体の性質をもつものを化合物半導体と呼ぶ。その組合わせは、いろいろあるが代表的なものとして周期律表のⅢ族とⅤ族(GaAs,GaP,InP等)あるいはⅡ族とⅥ族(ZnSe,CdSe等)、Ⅳ族同士(SiC)の組合わせがあり、それぞれ異なった機能を発揮する。
化合物半導体にはSi等の単体元素半導体に比べ、次のような優れた特徴がある。
・受発光機能
・高速動作特性
・高周波特性
・磁電変換機能
・耐放射線・耐熱特性