2023年1月~12月の化合物半導体製品の出荷額は、前年同期比72%の235億円となりました。 結晶別ではGaAs、InP、GaP、その他いずれも減少しました。用途別では可視LED、赤外LED、LDで増加し、その他が微減しました。 1.GaAs 2023年1月~12...
2023年1月~12月の化合物半導体製品の出荷額は、前年同期比72%の235億円となりました。
結晶別ではGaAs、InP、GaP、その他いずれも減少しました。用途別では可視LED、赤外LED、LDで増加し、その他が微減しました。
1.GaAs
2023年1月~12月のGaAsの売上高は、国内が前年同期比80%の30.5億円、海外向けが同78%の118.4億円といずれも減少しました。全体としては同80%の148.8億円と減少しました。
GaAsの主な用途市場はスマートフォン等に使用される高周波デバイス、また各種の表示機器やセンサ等に使用される可視・赤外LED、および光ディスク・加工機・センサ等に使用されるレーザダイオード(LD)等があります。2022年の出荷金額増は、前半の5G関連需要の拡大に加え、海外案件での円安影響が大きいと推察しています。2023年後半は中国のGa輸出規制の影響により、一時的に国内外での出荷数量は増えました。
2.GaP
2023年1月~12月のGaPの売上高は、国内が前年同期比45%の3.3億円、海外向けは同59%の4.8億円といずれも減少しました。全体としては同52%の8.2億円と減少しました。
GaPの主要用途は可視LEDです。一旦、コロナ対応のための在庫積み増しによるGaP-LED使用機器の回復傾向が見られましたが、後半、国際情勢の変化による家電等の需要減で在庫過多となり減少傾向に転じました。23年度もこの調整が継続していると推察しています。
3.InP
2023年1月~12月のInPの売上高は、国内が前年同期比60%の15.6億円、海外向けが同60%の50.1億円と減少しました。全体としても同60%の65.7億円と減少しました。
世界的なデータトラフィック増がInPの主用途である光通信用の受発光素子の需要を牽引する状況が22年度上期まで継続しましたが、同年下期以降、コロナ禍による各企業の過剰在庫積み上げ顕在化にデータセンター需要減速が加わり、各企業及びサプライチェーンは過剰在庫の調整期に入りました。この調整は23年度も継続しているものと推察いたします。
・協会会員外の化合物半導体メーカーにも広く調査協力を呼びかけ、化合物半導体の市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図るとともに、上期と下期の2回に分けて、業界の出荷状況を経済産業省と報道機関に報告しました。また、市場規模調査の在り方等について検討し、引き続き統計類の充実を図るた...
・協会会員外の化合物半導体メーカーにも広く調査協力を呼びかけ、化合物半導体の市場規模調査を実施し、業界動向についての基礎資料の充実を図るとともに、上期と下期の2回に分けて、業界の出荷状況を経済産業省と報道機関に報告しました。また、市場規模調査の在り方等について検討し、引き続き統計類の充実を図るための活動を進めました。
・非鉄金属7団体が共同で運営する学生リクルート向けホームページの維持、管理を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。
導体と絶縁体の中間にあって、条件次第では導体にも絶縁体にもなり得る物質の総称である。
Si,Ge等は単体の元素の半導体であるが、複数の元素の化合物で半導体の性質をもつものを…
導体と絶縁体の中間にあって、条件次第では導体にも絶縁体にもなり得る物質の総称である。
Si,Ge等は単体の元素の半導体であるが、複数の元素の化合物で半導体の性質をもつものを化合物半導体と呼ぶ。その組合わせは、いろいろあるが代表的なものとして周期律表のⅢ族とⅤ族(GaAs,GaP,InP等)あるいはⅡ族とⅥ族(ZnSe,CdSe等)、Ⅳ族同士(SiC)の組合わせがあり、それぞれ異なった機能を発揮する。
化合物半導体にはSi等の単体元素半導体に比べ、次のような優れた特徴がある。
・受発光機能
・高速動作特性
・高周波特性
・磁電変換機能
・耐放射線・耐熱特性