一般社団法人新金属協会

ベリリウム部会

業界業況

ベリリウムの主要用途はベリリウム銅合金(Be-Cu)製造のための添加元素である。ベリリウム銅合金は代表的な高級導電バネ材料であり、その主要な用途は、コネクター、各種スイッチ、リレー、ICソケットなどの各種電子部品である。それらの電子部品の需要は、 これらの部品が組み込まれる自動車(電装品)、携帯端末...

業界業況

ベリリウムの主要用途はベリリウム銅合金(Be-Cu)製造のための添加元素である。ベリリウム銅合金は代表的な高級導電バネ材料であり、その主要な用途は、コネクター、各種スイッチ、リレー、ICソケットなどの各種電子部品である。それらの電子部品の需要は、
これらの部品が組み込まれる自動車(電装品)、携帯端末(スマートフォン他)及び家電等の電子機器の最終製品の需要動向に大きく左右される。それら最終製品の市況は、昨年秋以降、世界経済の先行き懸念から減速し始め、現在もその状況が継続している。そのため、ベリリウム銅合金の需要も同様に減速傾向にある。
またベリリウム銅合金の市場価格は、その他の銅合金と同様に主原料である銅の価格にロールマージンと呼ばれる加工費を上乗せして設定される。そのため銅価格の変動によってもベリリウム銅合金の需要は左右される。銅価格は安定しているが、依然として米中貿易摩擦など世界経済は先行き不透明である事から、銅価格への影響も懸念される。
  
以下に主要用途分野別の概況を述べる。

1.自動車
2018年は最大の市場である中国が前年比2.8%減となり、世界の自動車販売台数も前年比0.5%減となり、2019年も大幅な回復は難しく微増に留まる可能性がある。
但し東南アジア、インドでの需要は着実に伸びており、生産はアジア各国でも行われている。そのためローカル部品メーカーからの需要も増えてきており、現地でのベリリウム銅合金の需要は年々増加している。
また中国ではEV車両の拡大計画から銅合金の需要は更に増加することが予測されており、その要求に応えるべく材料特性の向上がベリリウム銅合金の今後の用途拡大に繋がってくる。
依然として日本車メーカーは世界的にも強い立場をキープしており、電装品関係の開発を主導し、ベリリウム銅合金を使用する部品開発を牽引している。それらに対し効果的な提案をすることが重要である。

2.半導体
半導体需要は2018年後半より減速し、2019年予測は横ばいではあるが、長期的には自動運転、5Gの普及が見込まれ、大幅な伸びが予測されている。
この分野でのベリリウム銅の需要は引き続き増加していくことが予測される。

3.携帯電話
2018年のスマートフォン世界出荷台数は約14億台と前年比4.1%減で2年連続の減少となり、成熟期に入った。低価格帯に強い中国端末メーカーがシェアを伸ばし、更に高価格帯端末にも力を入れており、市場での存在感は増している。そのため高機能かつ省スペースな電子部品の需要が見込まれ、ベリリウム銅の高特性が求められる。

4.家電製品 
スイッチ、コネクターやリレー端子などバネ部品用途を中心にベリリウム銅が使用されている。
この分野での需要は中国での家電生産及び販売の影響を受けやすく、米中貿易摩擦による市況悪化で足元の需要は低迷しているが、今後も伸びは見込まれており、ベリリウム銅の需要は堅調に推移していくと予測される。

5.光海底ケーブル
光海底ケーブルの中継器用耐圧筐体にベリリウム銅が使用されている。
スマートフォンの普及、インターネットでの動画配信等によって、急増するデータ通信量に対応するため、今後も世界各地で、光海底ケーブルの新規敷設が計画されている。
そのため、今後ともこの分野でのベリリウム銅合金の需要増が期待される。

以上、代表的な用途に関して市場概況を述べたが、総括すると足元の需要は停滞しているが長期的には堅調に伸びていくことが予測されている。中国の成長は今後とも鈍化していくことが予測されるが高水準の需要は維持され、またアジア圏での需要は今後も堅調に伸長していくことが予測される。また、更なる需要創出のためにはコスト競争力の強化と、アジア圏新興国などでの提案型用途・顧客開拓が重要と思われる。

活動概要

・化学物質の審査及び製造等規制に関する法律(化審法)を見直し、2020年までに国内の化学物質のリスク評価と管理を実現する体系の構築が進められていますが、これを含めEUの拡大RoHS指令の検討や関連事象について、経済産業省等からの情報収集を図りました。 ・特定化学物質障害予防規則等の改正について、経済...

活動概要

・化学物質の審査及び製造等規制に関する法律(化審法)を見直し、2020年までに国内の化学物質のリスク評価と管理を実現する体系の構築が進められていますが、これを含めEUの拡大RoHS指令の検討や関連事象について、経済産業省等からの情報収集を図りました。
・特定化学物質障害予防規則等の改正について、経済産業省及び厚生労働省並びに関係団体からの情報収集を行いました。
・経済産業省情報通信機器課が主催する「改正RoHS関連工業会合同勉強会」に関し、情報収集を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1960年代
金属ベリリウム・ベリリウム銅製造(販売)開始
1970年代
原子力産業用材料へのアプローチ
1980年代
通信機器分野のほか、家電、電子機器、自動車部品などの新分野での需要の増加
1950年代
1955:ベリリウムの製造研究着手(日本碍子、三徳金属工業、横沢化学工業)
1955:三徳金属と横沢化学のベリリウム事業
1956:ベリリウム抽出
1975:終了 (日本碍子)
1958:金属ベリリウム、ベリリウム銅母合金の生産 (日本碍子)
1960年代
1960:協会にベリリウム部会設置
1961:銅母合金委員会、分析委員会発足
1962:ベリリウム銅鋳造金型の生産(圧力鋳造・精密鋳造)
2003:終了 (日本碍子)
1980年代
1984:展伸圧延事業開始
1920年代
1927:Berylium Corp.(Berylco)
1960年代
1968:Kawecki Berylco Ind.(KBI)
1970年代
1971:Brush Wellman Inc.
1978:Cabot Corp.
1980年代
1986:NGK Metals Corp.
1940年代
1940年代前半の大戦中に米国で軍需向け合金用途が急増
1950年代
1950年代前半、朝鮮戦争特需で生産急増
1970年代
米IBM向けSLT(Solid Logic Technology)コネクターにベリリウム銅が適用→ベリ銅事業の基盤醸成
原研、材料試験炉(JMTR)用に金属ベリリウム反射体を納入
海底ケーブル用中継筺体(ベリ銅)納入(NGK)
スピーカー用金属ベリリウム振動版開発(NGK)
原子力用金属ベリリウム枠を原研(JMTR)に納入(NGK)
1990年代
海底光通信用筺体を納入(NGK)
放射光施設(Spring-8)のビームラインにベリリウム使用

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