一般社団法人新金属協会

ベリリウム部会

業界業況

ベリリウムの主要用途はベリリウム銅合金(Be-Cu)製造のための添加元素である。ベリリウム銅合金は代表的な高級導電バネ材料であり、その主要用途はコネクター、スイッチ、リレー、ICソケットなどの各種電子部品であるため、部品として組み込まれる自動車(電装品)、家電製品及び携帯端末(スマートフォン他)等の...

業界業況

ベリリウムの主要用途はベリリウム銅合金(Be-Cu)製造のための添加元素である。ベリリウム銅合金は代表的な高級導電バネ材料であり、その主要用途はコネクター、スイッチ、リレー、ICソケットなどの各種電子部品であるため、部品として組み込まれる自動車(電装品)、家電製品及び携帯端末(スマートフォン他)等の電子機器の需要動向にベリリウム銅需要は大きく左右される。市況は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による昨春からの低迷から秋以降いったんは回復基調となったものの、昨年末からの感染再拡大によりふたたび先行き懸念が広がりつつある。

このような市況のもと、現時点のベリリウム銅合金需要は堅調でありながらも、先行き不透明感が強まりつつある。

以下に主要用途分野別の概況を述べる。

 

1.自動車:

銅合金需要は新型コロナウイルス感染拡大よって昨春からの自動車メーカー操業停止及び販売店の休業により夏場に大幅減となり、9月以降の自動車生産正常化で急回復しているが、今年度は前年比マイナスとなる見込みである。

但し各国での脱炭素社会に向けた動きにより、自動車メーカー各社はEV車両の開発に従来以上に力を入れていることから、この分野における銅合金需要は今後とも増加していくことが予測される。

電装品メーカー各社も同様にEV車両向けの部品開発を加速しており、その要求仕様に適した効果的な提案及び材料特性の向上がベリリウム銅合金の用途拡大に繋がっていく。

 

2.半導体:

2020年はデータセンター投資と在宅勤務によるPC需要の増加から市況は好調に推移し、2021年も引き続き継続する見込みである。

長期的にも5G通信、EV、自動運転の普及による需要増が見込まれており、ベリリウム銅合金の需要増が期待される分野の1つである。

 

3.家電製品:

ベリリウム銅合金はスイッチ、コネクターやリレー端子など導電バネ部品用途を中心に使用されている。その需要は家電生産及び販売の中心地である中国の動向に影響を受けやすい。

2020年はコロナ禍による巣ごもり需要によって家電販売が好調に推移したことから堅調であった。家電製品は今後とも安定した成長が見込まれているため、ベリリウム銅合金の需要も同様に伸長していくものと予測される。

 

4.携帯電話:

2020年のスマートフォン世界出荷台数は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり前年比マイナスとなる見通しである。

端末各社から5G対応端末は発売されたが、インフラ整備の遅れと高額な端末価格から普及に至っていない。

市場も成熟しており、今後5G通信の拡大により対応端末の販売増は見込まれるが携帯端末の出荷台数の大幅な増加は見込みづらく、ベリリウム銅合金の需要も漸減傾向と予測される。

 

5.光海底ケーブル:

光海底ケーブルの中継器用耐圧筐体にベリリウム銅合金が使用されている。

世界各国でのデータセンター増設、ネット動画配信等で年々通信需要が増加していることから、光海底ケーブルは新規敷設されている。

2021年以降も5G通信の普及により更なるデータ通信量の増大が予想されるため、光海底ケーブルの新規敷設は計画されていく。そのため、引き続きこの分野でのベリリウム銅合金の需要継続が期待される。

 

以上、代表的な用途に関して市場概況を述べたが、総括すると昨年のベリリウム銅合金需要は新型コロナウイルス感染拡大から用途によっては一時的な落ち込みがあったものの、全体的には堅調に推移した。そして将来的な需要の増加が見込まれる。

地域でみると新型コロナウイルス感染影響から早期に経済を回復させた中国が重要な市場であることに変わりなく、引き続き米中貿易摩擦が不安要素としてあるが、今後もベリリウム銅合金の主力市場であり続けることが予想される。

更なる需要創出のため、コスト競争力の強化と伸長が見込まれる5G通信、EV、自動運転関連分野における提案型用途開発・顧客開拓が重要である。

活動概要

・化学物質の審査及び製造等規制に関する法律(化審法)を見直し、2020年までに国内の化学物質のリスク評価と管理を実現する体系の構築が進められていますが、これを含めEUの拡大RoHS指令の検討や関連事象について、経済産業省等からの情報収集を図りました。 ・特定化学物質障害予防規則等の改正について、経済...

活動概要

・化学物質の審査及び製造等規制に関する法律(化審法)を見直し、2020年までに国内の化学物質のリスク評価と管理を実現する体系の構築が進められていますが、これを含めEUの拡大RoHS指令の検討や関連事象について、経済産業省等からの情報収集を図りました。
・特定化学物質障害予防規則等の改正について、経済産業省及び厚生労働省並びに関係団体からの情報収集を行いました。
・経済産業省情報通信機器課が主催する「改正RoHS関連工業会合同勉強会」に関し、情報収集を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1960年代
金属ベリリウム・ベリリウム銅製造(販売)開始
1970年代
原子力産業用材料へのアプローチ
1980年代
通信機器分野のほか、家電、電子機器、自動車部品などの新分野での需要の増加
1950年代
1955:ベリリウムの製造研究着手(日本碍子、三徳金属工業、横沢化学工業)
1955:三徳金属と横沢化学のベリリウム事業
1956:ベリリウム抽出
1975:終了 (日本碍子)
1958:金属ベリリウム、ベリリウム銅母合金の生産 (日本碍子)
1960年代
1960:協会にベリリウム部会設置
1961:銅母合金委員会、分析委員会発足
1962:ベリリウム銅鋳造金型の生産(圧力鋳造・精密鋳造)
2003:終了 (日本碍子)
1980年代
1984:展伸圧延事業開始
1920年代
1927:Berylium Corp.(Berylco)
1960年代
1968:Kawecki Berylco Ind.(KBI)
1970年代
1971:Brush Wellman Inc.
1978:Cabot Corp.
1980年代
1986:NGK Metals Corp.
1940年代
1940年代前半の大戦中に米国で軍需向け合金用途が急増
1950年代
1950年代前半、朝鮮戦争特需で生産急増
1970年代
米IBM向けSLT(Solid Logic Technology)コネクターにベリリウム銅が適用→ベリ銅事業の基盤醸成
原研、材料試験炉(JMTR)用に金属ベリリウム反射体を納入
海底ケーブル用中継筺体(ベリ銅)納入(NGK)
スピーカー用金属ベリリウム振動版開発(NGK)
原子力用金属ベリリウム枠を原研(JMTR)に納入(NGK)
1990年代
海底光通信用筺体を納入(NGK)
放射光施設(Spring-8)のビームラインにベリリウム使用

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