コンデンサ向けについて、2022年のタンタルコンデンサ国内生産は11.2億個であり前年の13.3億個に対して▲16%、2022年上半期は6.0億個で前年同期の6.9億個に対し▲13%となった。2023年上半期は4.1億個であり前年同期比▲32%となり大幅に減少した。タンタル材の消費量についてもタンタ...
コンデンサ向けについて、2022年のタンタルコンデンサ国内生産は11.2億個であり前年の13.3億個に対して▲16%、2022年上半期は6.0億個で前年同期の6.9億個に対し▲13%となった。2023年上半期は4.1億個であり前年同期比▲32%となり大幅に減少した。タンタル材の消費量についてもタンタルコンデンサ国内生産減に伴い減少したものと推定される。
化合物については、2022年後半からのスマートフォン市場の減速が継続しており低調に推移したものとみられる。世界的な政情不安やインフレによる消費者支出の抑制、スマートフォンの買い替えサイクルの伸長などの影響を受け、SAWフィルタ向け高純度酸化タンタルの需要は大きく減速したと推定される。また光学レンズ向けなどは、依然として需要は弱い状況が続いていると見られる。一方、主に超硬工具などに使用される炭化タンタルについては、景気減速や資材不足の影響を受けた自動車産業の減速を受け、低調に推移したと見られる。
薄膜材料向けタンタル材について、WSTSの2023年春季半導体市場予測によると、2022年の世界半導体市場は2年余り続いた在宅特需の一巡に加え、世界的なインフレ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に代表される地政学的リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資等に影響し、年途中から多くの用途・製品で需要が失速した結果、対前年比+3.3%となった。2023年は対前年比▲10.3%と2019年以来4年ぶりのマイナス成長予測となっている。タンタル材の消費についても、半導体市場の成長とリンクする形で増減していくものと推定される。
1.輸出入統計
(1)2023年上期の輸出
タンタルコンデンサの輸出は3.4億個であり、前年同期の5.1億個対比で▲33%と大幅に減少した。タンタル粉末(塊含む)の輸出は62トンであり、前年同期の87トン対比で▲29%と大幅に減少した。その他タンタル製品の輸出は2トンであり、前年同期の5トン対比で▲60%と大幅に減少した。
(2)2023年の上期の輸入
タンタルコンデンサの輸入は9千4百万個であり、前年同期の1億5千6百万個対比で▲40%と大幅に減少した。タンタル粉末(塊含む)の輸入は28トンであり、前年同期の27トン対比で+4%と微増となった。その他タンタル製品の輸入は12トンであり、前年同期の17トン対比で▲29%と大幅に減少した。
2.タンタルコンデンサ市場
前述の通り、経済産業省の統計によると2022年に11.2億個、うち上半期6.0億個であったタンタルコンデンサ国内生産数量は、2023年上半期には4.1億個と前年同期比▲32%と大幅に減少した。固定コンデンサ全体の比較では、2022年通期で1兆1,404億個、うち上半期5,993億個であった国内生産量が、2023年上半期には4,385億個となり対前年同期比▲27%と大幅に減少、固定コンデンサ市場全体で大幅減となった。
3.タンタル化合物市場
酸化タンタルは主にデジタルカメラなどに使われる光学レンズと、携帯電話・スマートフォンに搭載されるSAW(弾性表面波)フィルタ用LT単結晶に、また炭化タンタルは主に超硬工具に使用される。光学レンズ向け需要は、デジタルカメラがスマートフォンに置き換わる大きなトレンドにともない低調である。タンタル酸リチウム(LT)単結晶向けの需要は、5Gを含むハイエンド品へ移行する流れの中で増加する方向性に変わりはないと見られているが、2023年前半はスマートフォン市場の減速を受け、引き続き調整局面で推移したと推定される。また、超硬工具用炭化タンタルの推定消費量は、2023年1月~6月5.1トンであり、前年同期の8.5トンと比べ40%の減少となった。景気減速と自動車生産調整の影響により引き続き需要は低調に推移したと見られ、各メーカーは生産調整局面で推移したと推定される。
・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。 ・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、...
・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。
・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、新たに欧州委員会が体制整備の検討を行っていることに関して、経済産業省関係課、関係団体から情報を入手しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、新規対象業種として統計類の整備、解析、ハザードの抽出、安全対策等に関する調査・提言を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。