一般社団法人新金属協会

タンタル部会

業界業況

2017年下半期(7月~12月)のタンタル国内需要について、最大の消費先であるコンデンサ向けは対前年同期比で増加していると推定される。国内タンタルコンデンサの2017年下半期生産は約9.3億個であり、前年同期比+13.2%と、上半期に引き続き好調な生産を維持している。年間で見ると、2016年実績の1...

業界業況

2017年下半期(7月~12月)のタンタル国内需要について、最大の消費先であるコンデンサ向けは対前年同期比で増加していると推定される。国内タンタルコンデンサの2017年下半期生産は約9.3億個であり、前年同期比+13.2%と、上半期に引き続き好調な生産を維持している。年間で見ると、2016年実績の16.2億個に対し2017年実績は18.1億個、+12.0%となっており、2013年以降一貫して減少し続けていた国内生産がようやく増加に転じたことになる。タンタルコンデンサメーカーの生産の国際的な分業体制は引き続き継続している様子であり、国内コンデンサ生産統計数量とタンタル材消費数量は必ずしもリンクするものではないことは、留意しておく必要がある。
一方で、2017年の国外の生産は、海外大手を中心に対前年比で10数%の伸びとなっており、世界的にタンタルコンデンサの好調な需要が継続しているものと推定される。
化合物については、ここ数年、拡大を続けて来たSAWフィルタの需要が、中国スマホの販売減少の影響などで、在庫調整の局面を迎えた。これによりタンタル酸リチウム単結晶用の高純度酸化タンタルも大規模な需給調整が行われ、需要は大きく減少した。光学レンズ向けの酸化タンタルの需要は引き続き低位であり、回復の兆しは見られない。また、日本機械工具工業会の統計によると超硬工具向け炭化タンタルの消費量は2016年比で微増であったと見られる。 
半導体向けタンタル薄膜材料向け需要について、2017年下半期は半導体の世界的な伸びに支えられ、大きく伸張したものと推定される。スーパーアロイ等の合金向けも、最終顧客の好調な需要に支えられ、需要は回復傾向に向かうものと思われる。

1.輸出入統計
(1)7~12月の輸出
タンタルコンデンサの輸出は776百万個であり前年同期比+30.2%となった。タンタル粉末(インゴット含む)の輸出は77トン、前年同期比+20.8%であり海外タンタルコンデンサ生産の好調を裏付ける結果となっている。タンタル製品の輸出は15トン、前年同期比▲22.6%となった。
(2)7~12月の輸入
タンタルコンデンサの輸入は150百万個であり前年同期比▲23.1%となった。タンタル粉末(インゴット含む)は18トンで前年同期比▲24.6%、タンタル製品は15トンで前年同期比+32.0%、タンタルフッ化物は411トンで前年同期比+77.3%となった。

2.タンタルコンデンサ市場
経済産業省の統計によると2017年7~12月の生産は925百万個、前年同期の817百万個と比べて+13.2%となった。

3.タンタル化合物市場
酸化タンタルの光学レンズ向け需要は引き続き低位であるが、これまで順調に伸びてきた、SAWフィルタデバイス用タンタル酸リチウム(LT)単結晶向けの需要も大きな調整局面を迎えることになった。また、超硬工具向け炭化タンタルの需要については微増になったと見られる。その結果、化合物市場全体としてはLT単結晶酸化タンタルの需要減減少により、対前年同期比減となったと思われる。

活動概要

・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。 ・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、...

活動概要

・タンタル需要実績の集計を行い、公表しました。また、タンタル業界共通課題の検討を行うとともに、タンタル資源動向について議論しました。
・コンゴ民主共和国とその周辺地域で産出する4種の鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)の使用状況に関し、米国金融規制改革法で報告・開示が義務付けられるとともに、新たに欧州委員会が体制整備の検討を行っていることに関して、経済産業省関係課、関係団体から情報を入手しました。
・新金属産業災害防止対策安全委員会における「新金属産業災害防止に関する行動計画」の策定に当たり、新規対象業種として統計類の整備、解析、ハザードの抽出、安全対策等に関する調査・提言を行いました。
・協会ホームページで部会活動、業界動向等の情報を広く発信するための議論を行い、発信内容を検討しました。

年表

1950年代
タンタルの供給は米KBI、米ノルトン、米ファンスチール、独HCSTからの輸入品主用途はコンデンサ、研削材添加物用化合物、耐食材料
新金属としてのタンタルの国産化要求強まる
1970年代
タンタルの輸入関税は、フッカタンタルは無税、粉末・加工品は8%に
タンタルコンデンサ需要急増、主製品はディップタイプ
1975年代
国内コンデンサメーカーは9社
タンタル鉱石価格$100/Ib超える
粉末は輸入品が数十万円/kgへ
世界的なタンタル鉱石埋蔵量に不安走る
1980年代
タンタルコンデンサ需要急増
NECの奥田事業部長がCV3万の粉末要請
コンデンサ、チップ化進むより小型化、表面実装実用化へ
1985年代
世界最小のタンタルコンデンサを日本が索引
日本、世界へ超高CV粉末を発信
ソニー、ウオークマン販売
コンデンサ数十個使用
カメラ一体型ビデオ販売
コンデンサ数十個使用
1986:TIC総会(神戸)
1990年代
PCのノートブック化進む
NEC,タイにタンタルコンデンサ工場進出、生産開始
1995年代
機能性高分子コンデンサの普及
タンタルコンデンサ需要立ち上がる
携帯電話普及(コンデンサ多数使用)
1994:TIC総会(会津)
2000年代
2001:ITバブル崩壊
タンタルコンデンサ需要急落
DSC、iPodの普及
タンタル鉱石高騰、一時$300/Ib台へ
2002:TIC総会(京都)
タンタルコンデンサメーカーの海外進出、離散集合
国内コンデンサメーカーは6社へ
1955年代
タンタル国際化に向けて各社が事業化開始
粉末CV1千/g
1965年代
粉末CV3千/g
1970年代
国内タンタルメーカーは増設・増産へ(国内需要:165トン過去最高)タンタル鉱石、原料不足が深刻化
1975年代
粉末CV6千/g
1980年代
タンタルの需要急落に伴い国内各社は事業存続に試練
1985年代
粉末CV3.4万/g
液晶、半導体向けターゲット材伸びる
中国メーカーがタンタルメーカーに参入
1990年代
粉末CV5万/g
携帯電話向けSAWフィルター用タンタル酸リチウム急増
タンタル需要急増国内メーカー増設・増産へ
1995年代
粉末CV7万/g
タンタルのリサイクル化進む
2000年代
粉末CV10万/g
2000:国内タンタル需要500t台へ
粉末CV15万/g
2001:タンタル需要急落、再び材料の将来不安走る
豪グワリア社、鉱石埋蔵量数十年分可を発表
より安定した原料確保対策と高付加価値製品への特化
1955年代
1958:小松製作所、昭和電工、通産省がニオブ、タンタルの製造研究に補助金交付
1958:太陽金属工業、炭化タンタル(TaC)の生産開始
1960年代
1960:小松製作所、昭和電工、信越化学、日本曹達、タンタル粉末生産開始
1960:神戸製鋼所、東京電解、それぞれアーク溶解法、EB溶解法による生産開始
1960:日本真空技術(後の真空治金)、EB溶解実用化研究開始
1960:高純度物質研究所がタンタル陽極素子生産開始
1965年代
1961:東北金属工業、オーストリアPlanseeより粉末治金法の技術導入
1966:三井金属鉱業、炭化タンタル、酸化タンタル生産開始
1966:横沢化学、スクラップより酸化タンタル生産開始
1966:真空治金、タンタルワイヤ生産開始
1970年代
1972:昭和電工、米KBIと合弁で、昭和KBIを設立、原料の安定供給確保へ
1975年代
1976:信越化学、タンタル事業撤退
1980年代
1980〜82:国内メーカーの事業撤退進む
1982:国内メーカーは、昭和KBI(後の昭和キャボットスーパーメタル)、真空治金、三井金属鉱業、東京電解の4社へ
1984:ヴイテック設立、国内メーカーは5社体制へ
1985年代
東京電解、昭和キャボットスーパーメタル、ターゲット材へ進出
1988:ヴイテック、粉末の商業生産スタート
1990年代
1991:真空治金、武黒社長がTIC会長に就任
2000年代
2000:スタルクヴイテック、月産能力20トンへ
2001:昭和キャボットスーパーメタル、月産能力30トンへ
2002:昭和キャボットスーパーメタル、Cabot100%出資のキャボットスーパーメタルへ
2005:真空治金、アルバックマテリアルへ社名変更

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