一般社団法人新金属協会

ボンディングワイヤ部会

業界業況

2011年 世界半導体市場 世界半導体市場統計(WSTS)が2011年11月に発表した予測によると2011年の世界半導体市場規模は、2010年に達成したこれまでの最大市場規模をわずかに上回る3,023億ドル(約24兆1千2百億円)、対前年比40億ドル増となるものと見た。その後、2012年には+...

業界業況

2011年 世界半導体市場
世界半導体市場統計(WSTS)が2011年11月に発表した予測によると2011年の世界半導体市場規模は、2010年に達成したこれまでの最大市場規模をわずかに上回る3,023億ドル(約24兆1千2百億円)、対前年比40億ドル増となるものと見た。その後、2012年には+2.6%とわずかに成長を継続し、2013年に+5.8%と緩やかな成長を持続するものと見ており、この結果、2010年から2013年までの年平均成長率は+3.2%となり、2013年の市場規模は3,281億ドルになるものと予測している。なお、US$1に対する円の為替レートは、2009年/93.4円、2010年/87.7円、2011年/79.8円、2012年/77.8円が前提。
一方2012年としては、2010年の飛躍的伸び(31.8%)の余波による2011年の低成長(+1.3%)の影響を受け、前述のごとく+2.6%のわずかな成長になるもの見ており、結果としては金額ベースで3,102億ドルと予測している。 アメリカ地域が前年比1.3%増の563.8億ドル、ヨーロッパ地域が同2.1%減の372.6億ドル、日本を除くアジア太平洋地域は同3.4%増の1,710億ドルになると予測している。
また日本市場では、2011年は東日本大震災、世界経済の低迷と円高、更にはタイの洪水被害などの影響があった事で前年比15.8%の大幅減になるものと予測した。そして2012年としてはマイナス基調を脱し、+2.9%となるものと見ている。その結果、国内市場規模は2010年の約4兆8百億円、2011年の約3兆4千4百億円、そして2012年は約3兆5千4百億円、2013年は3兆7千百億円(+4.7%)となり、2010年から2013年までの年平均成長率は-3.2%となるものと予測している。
2011年下半期のボンディングワイヤ市場
 国内のボンディングワイヤ出荷量は2011年7〜9月が前年同期比15%減の119百万m/月、10〜12月が同12.5%減の105百万m/月となっている。継続する超円高への対応で各社の生産の海外シフトが加速した事と欧州の金融不安の影響によるコンスーマー製品市場の大きな落ち込みが主な要因と見られ、残る3ヶ月も劇的な回復は望めないであろう。
2012年上半期のボンディングワイヤ市場見通し
 前述の通りWSTSの最新データーで2011年の世界市場が前年比1.3%の極めて緩やかな伸びを示すと予測される中、国内市場は2011年下期の影響を引きずる形で各社のライン規模縮小が目立っており、結果として2012年上半期も顕著な市場拡大は期待できないであろうというのが大方の予測である。
直近の動向
 金地金価格は依然として4,300円/gを超える高値圏で推移しており、海外相場もU$1,700/t.oz以上の過去最高値圏のままである。一方では世界経済の不透明感が拭えぬ中、特に途上国を中心とした金需要の高まりは当分続くものと見られることから値下がりムードは期待できない。これを受けて世界半導体市場で近年注力されている脱金の動き(Cu wireへのシフト)が2012年には更に加速されることが予想されている。

活動概要

定例の部会において、協会会員外のボンディングワイヤメーカーにも調査協力を呼びかけ、国内出荷統計を集計するとともに、半導体関連業界の動向についての情報交換を行いました。 また、部会講演会の開催等を通じて、ボンディングワイヤ業界共通課題について意見交換を行いました。

活動概要

定例の部会において、協会会員外のボンディングワイヤメーカーにも調査協力を呼びかけ、国内出荷統計を集計するとともに、半導体関連業界の動向についての情報交換を行いました。

また、部会講演会の開催等を通じて、ボンディングワイヤ業界共通課題について意見交換を行いました。

年表

1950年代
田中貴金属(田中電子工業)
住友金属鉱山
三菱マテリアル(三菱金属)
日鉄マイクロメタル
1960年代
1961:田中貴金属、金線事業開始
1963:Y(SR)タイプ開発
1970年代
1970:住友金属鉱山、金線事業開始
1970:SGR、SGHタイプ開発
1973:Cタイプ開発
1975年代
1976:FAタイプ(高速ボンダー対応)開発
1977:SGSタイプ(高速ボンダー対応)開発
1980年代
1980:三菱金属、金線事業開始
1982:MGS,MGM,MGHタイプ開発
1983:タツタ電線、金線事業開始
1985年代
1987:日鉄マイクロメタル、金線事業開始
1987:Kタイプ(高速ボンダー対応)開発
1989:MGHLタイプ(低ループ対応)開発
1989:M3タイプ開発
1990年代
1990:GLタイプ(低ループ対応)開発
1990:SGL(低ループ対応)タイプ開発
1993:GH,GMタイプ(高速ボンダー、高強度品)開発
1994:Tタイプ(高速ボンダー、高強度対応)開発
1995年代
1995:NLタイプ(BGA対応)開発
1996:MGFLタイプ(ファインピッチ対応)開発
1999:NTタイプ(低ループ、ファインピッチ対応)開発
2000年代
2000:GFタイプ(ファインピッチ対応)開発
1955年代
タンタル国際化に向けて各社が事業化開始
粉末CV1千/g
1960年代
手動ボンダー対応
1970年代
自動ボンダー対応ワイヤ
1975年代
全自動、高速ボンダー対応ワイヤ
1980年代
銅ワイヤ(省金化、金高騰による代替)
1990年代
細線化(省金化、PKG小型化)小型、薄型PKG(GSP等)対応ワイヤ(低ループ、逆ループ)
1995年代
多ピン、ファインピッチPKG(BGA)対応ワイヤ(長ループ、高強度)
1970年代
スプールTS1(50〜100m巻)
1980年代
スプールAL2(50〜100m巻)
1995年代
スプールAL4(1,000〜5,000m巻)
1950年代
真空管
1970年代
トランジスター
1975年代
DIP、PGA
1985年代
QFP、SOP
1995年代
BGA、CSP、LGA
2000年代
Stacked CSP

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